村上龍が長編3作目で「コインロッカーベイビーズ」を発表し、彼の代表作/最高傑作となったように、
谷川直子が3作目として発表した「四月は少しつめたくて」は、きっと彼女の代表作(の一つ)になることだろう。
すくなくとも過去3作品の中では、いちばんの出来だと私は思います。素晴らしい。
現代詩の編集者桜子と主婦のまひろ。二人は、十数年沈黙を守る詩人、藤堂との交流を通して”言葉”に出会う。といった内容だが、
筆を折って市井に生きる藤堂の鬱屈と矜持、藤堂をこのまま埋もれさせたくなくて、新作を書かせようと右往左往する桜子の健気さが胸を打つ。
それから何より、作中で引用される藤堂の過去の作品を、一から創作した(と思われる)作者の力技に脱帽しました。
この一編を読むだけで雑誌代のモトはとれます、多分。
あ町田康が連載中の「ギケイキ」(義経記)も、おもしろいよー。

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文芸 2015 年 02 月号 [雑誌] 雑誌 – 2015/1/7
【特集:日本文学全集】大江健三郎×池澤夏樹ほか【創作】坂上秋成、谷川直子、早助よう子、松井周、山下澄人、宮内勝典、高橋源一郎、今日マチ子、黒川創ほか。
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