商品紹介
狂言界の至宝・野村万作をはじめ野村万之介、野村萬斎、石田幸雄ほか野村万作一門による万作の会の狂言公演。橋掛かりをそなえた斬新なデザインの能舞台を世田谷パブリックシアターという現代演劇の劇場空間に創るという、舞台建築の面からも高い評価を得た公演。舞台芸術としての狂言が堪能できる。
【収録内容】
「三番叟(さんばそう)」
「翁」という儀礼曲の中で、狂言方が勤める役が三番叟である。古風な様式を留める神聖な曲で、日本芸能の神髄とも言うべき究極の舞。野村家の三番叟には洗練された鮮やかな切れ味がある。舞踏・ダンスにも通じる宇宙的な世界観を持ったこの曲を、野村萬斎が舞う。必見である。
「鎌腹(かまばら)」
怠け者の太郎が妻へのあてつけに自分の腹を切って死のうとする、その一部始終をシテが独演する。妻も仲裁人も見ていないところで一人、何度も腹を切り損なう太郎。まるでベケットの戯曲を思わせる無目的な行為の繰り返しが、人間の愚かしさを際立たせる。古典狂言としては特異な、不条理さを感じさせる作品である。
「川上(かわかみ)」
吉野の里に住む盲目の夫は、川上の地蔵に参籠した甲斐があって目が開くが、地蔵のお告げには「連れ添う妻は悪縁ゆえ離別せよ」という条件があった…。人間と運命の対峙を鮮やかに描く、狂言の異色の名作。四十分弱の作品ながら、長編の演劇に匹敵するほどの緊密感に満ちたドラマ性があり、かつて日本の戯曲のベスト3に挙げられたこともある。狂言界の至宝・野村万作の叙情に満ちた演技が堪能できる。
レビュー
出演: 野村萬斎/野村万作/野村万之介/石田幸雄/深田博治/高野和憲/万作の会
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)