70年発表の「YES WE CAN」と、78年発表の「NIGHT PEOPLE」の2イン1のCDです。「YES ・・・」は、名盤として広く認知されているのに比べると、「NIGHT ・・・」の方はやや評価が低いようですが、個人的には、「NIGHT ・・・」により魅力を感じています。
変態的なノリの演奏の「YES ・・・」に対して、「NIGHT ・・・」はオーソドックスな演奏でして、都会的で洗練されているんですけども、この演奏とリー・ドーシーのイナたいヴォーカルとのギャップは、逆に面白みがあって、意外に相性が良いのです。また、リーのヴォーカリストとしての魅力も、「NIGHT ・・・」により強く感じるところです。これだけ温かく、優しく、深く、切ない歌唱は稀有です。(特に、「T-23. Draining」は激名唱!)同じキーワードで他のヴォーカリストで思い浮かぶのがアーニー・グレアム(パブロック人脈で語られることの多いアイルランド人)なんですけども、アーニーには、辛気臭い、貧乏臭いと多少のケチを付けたくなりますが、リーはパーフェクトです。素晴らしいです!
他の方もレビューされてますが、こんなに魅力あるアーティストが、レコーディングに恵まれなかった(特に70年代)ことが、残念でなりません。