前作「Birdy」は何度聴いてもどうも好きになれなかった。詞も音も軽い薄っぺらい感じ。もしかしてブッチャーズというバンドはこのままこういうバンドになってしまうのかと一人でがっかりしたのだった。
だけどこの「banging the drum」はいい。
アルバム発売前に「サンザン」のPVを見たんだけどけっこういいんじゃないか(「lukewarm wind」あたりに入っててもおかしくなさそうな曲調だ!)、と期待させてくれたんだけど、実際アルバムも期待以上のデキだった。
音も詞も前作よりは全然好き。アルバムの雰囲気としては前作に近いが、完成度はこっちが全然高いと思います。ああ田渕加入はやっぱりアリだったなと思えた!(「YAMAHA-1」はびっくりした)
もしかするとブッチャーズはここからまだ可能性を秘めたバンドじゃないかと期待が持てた1枚だった。欲を言えば昔の、アルバム一枚を通して漂う緊張感や独特のわびさびみたいなもんが感じられるアルバムも聴きたいところ。でもとりあえず今のブッチャーズのこのサウンドはアリだと思います。ぜひ聴いてみてください。「プラス-マイナス」が特にお気に入り。