70分超一本勝負の大作である,まずは忍耐と集中力が必要。でないと大切なものを聴き逃してしまう。自分もそうであった,初めて聴いたときはちっともいいとは思わなかった。テーマだ,Patだ,Lyleだ,もりあがった,ワーッ,次!という単純明快さはない。いくつものモチーフがかわるがわる現れながら丹念に織り込まれ,微妙な音のグラデーションを描きながらよぎっていく。起伏に富んだサウンドの連なりを丁寧に追いかけていけば,やがてPMGならではの重厚でありながら疾走感にあふれる音模様があらわになり,ほかのどんなアーティストも到達できない高みに上り詰めて行くカタルシスを味わうことができる。そのことに初めて気づいたのは,2005年のThe Way UpツアーにおいてPMGがそれを全力で演奏しきったのを目の当たりにしたときであった。伸びやかなメロディーが駆け抜けるクライマックスでは,ただただ涙があふれてくるのを抑えられなかった。スピーカーでもヘッドフォンでもいい,この作品は許される限りの大きな音で聴こう。そして耳を研ぎ澄ましてPMGの世界をたどっていこう。彼らがとんでもない偉業を成し遂げたことに必ず気づくはず。
Loved the way the simple theme builds and evolves. Lyle Mays is fantastic as well as Gregoire Maret (sp?) on chromatic harmonica. Great band performance!