Amazonレビュー
同じラッパーの50セントは銃撃戦やギャングの抗争の中を生き残ったかもしれないが、ウィル・スミスはナンバーワンのテフロン加工ラッパーとして生き残るだろう。彼はどんなことにも傷つかない。ポップ・カルチャーや大衆の好みの変化も、CD売り上げの減少も、迫りくる中年という年齢さえ。彼はいまだにコメディドラマ「ベルエアのフレッシュ・プリンス」の粋ですっとぼけた主役を喜々として演じ、外野の声には耳も貸さずにプレイスクールのビートでセサミストリートのライムを作っている。彼の立場(ある時、「ののしり言葉を使った詞は決して書かない」と宣言した)は称賛に値するが、アルバム作りの点ではそうではない。そこには、冷酷さ(「Mr. Niceguy」(邦題「Mr.ナイスガイ」))や独りよがり(「Could You Love Me」(邦題「クッド・U・ラヴ・ミー」))、病的に徹底的なうぬぼれ(「Here He Comes」(邦題「ヒア・ヒー・カムズ」))が代わる代わる現れている。ティンバランドやスヌープ・ドッグやDJのジャジー・ジェフのようなゲストも、方向性を変えることはほとんどできなかった。(Aidin Vaziri, Amazon/com)