僕はこのアルバムに何度救われたかわからない。
心が打ちひしがれてしまったとき、
何物かが心に重くのしかかって、
立っていることすらできない気がするとき、
生きていくことがひたすらつらく思えたとき、
ヘッドホンから彼の透明な声が聴こえてきた。
大声ではない。
囁くような、呟くような、
空気のなかをふわりと伝わってくるような歌声。
ギターの弦のかすかな震え。
底なしの沼に墜ちていく心を、優しく、しかししっかりとつなぎとめ、心に寄り添ってくれた音楽。
彼がいつのまにかこの世から去ったことを知って、声も出ない。ありがとう。