このアルバムでは、琵琶楽が再興した明治期以降の作品を、現代の演奏家が演奏しています。時代による音作りの変遷はありますが、全てがステレオ録音です。
ただしテクストは茨木童子(1)、平家(2, 3)、静御前(4)と古典的な題材からとっています。また、大家・若手の順に筑前流(1, 3)、錦心(鶴田)流(2, 4)と流行の二流を交互に並べ、最後に現代邦楽のスタイルである篠笛との二重奏曲(5)でしめくくることで、帯にある「古典から現代曲まで」という雰囲気を濃く出している上、筑前と薩摩の音の違いがよく聞き取れます。
このCDで坂田美子さんの演奏を気に入った方は、是非半田淳子さんのCDもお聴きください。鶴田錦史さんの愛弟子であり、坂田美子さんの師匠である半田淳子さんならではの、年輪を伴った深みのある叙情性を楽しめます。