家には豪華な観葉植物や高価な花が飾られているのに、ふと目に留まった野の花をむしりとった男が主人公。
何も持たない悲しく貧しい女を身勝手に自分のものにしようとする主人公。
女は当初は男にされるまま、無表情だが、あるときから彼女自身が男への無償の愛を感じ始める。露出はしていないペネロペの表情が極めてセクシーである。
男は自分の欲望のなすがままに彼女を愛しながらも結局彼女を傷つけ不幸へと導く。
「君は僕を許さないだろう」と男が言うと
「いいえ神が”私たち”を許さないでしょう」
と答える彼女。その笑顔は悲しくも全ての罪を引き受けようとする聖女のごとくである。
男は彼女と別れて15年もの月日が流れ、愛する娘を失いつつある時、昔棄てた女を思い出すのである。
男があまりにも身勝手で見ていてどんどん切なくなってしまったが、ペネロペ演じる女が彼に愛を与えようとするのと、彼の妻が愛を与えられようとするのが対照的だった。
愛を知らずに育った主人公がこういった無償の愛にのめりこんだのも理解はできる。
しかし、むしりとられた野の花があまりにもあわれである。
野の花を演じたペネロペの演技はとにかくすごいの一言。だから彼女の演技に対して星4にします。かわいいだけの女優ではありません、