2005年6月リリース。OVAアニメ『フリクリ』に採用された楽曲を集めた企画アルバム『FLCL Original Sound Track NO. 3』
the pillowsの裏ベストと言うべき内容で、通常のアルバムより安価(2,000円)なので入門編としてもオススメのアルバムである。
『フリクリ』は2000年に発表されたアニメ作品で、the pillowsが1997年から1999年までに発表した楽曲が多数挿入されている。
the pillowsにとってその時期は自他共に認める「黄金期」であり、収録されている楽曲もテンション高めの人気曲ばかりなので、手頃な値段も相まって実はthe pillowsの中では最も入門編に適しているアルバムではないかと思う。
少々マニアックな話になると、8枚目のオリジナルアルバム『HAPPY BIVOUAC』(99年12月リリース)からの収録が少々偏っているように感じる。『HAPPY BIVOUAC』は11曲入りのアルバムだが、実に半分以上の6曲が今作に収録されている。
また、アルバムは全て既存のオリジナルバージョンをそのまま入れているが、「Blues Drive Monster」だけはアウトロが若干修正されている。「Blues Drive Monster」が唯一収録されているアルバム『LITTLE BUSTERS』(98年2月リリース)では、アウトロが完全に終わる前に次の曲に入ってしまうので、完全にアウトロが鳴り止むバージョンが収録されているのは今作が初になる。
アルバムの内容としては概ね満足だが、the pillowsはテンションの高い楽曲だけでなく「ストレンジカメレオン」「確かめに行こう」「ONE LIFE」などのミディアム調の名曲もたくさん発表している(今作の「Funny Bunny」がその部類に当たる)。
テンションの高い黄金期のthe pillowsが気に入ったら、ぜひ今度は公式がリリースしている『Fool on the planet』のベスト盤や、オリジナルアルバムにも手を出してほしいなと思う。