Atomicの3rdアルバムはライヴの3枚組。かなりのヴォリュームだけど1枚あたりの収録
時間が50分前後なので聴き疲れしないのが良い。
演奏はこれまでの2枚のスタジオ盤よりもはるかに熱く、特にトランペットとサックス
が前二作ではこじんまりと聴こえていたためその力のほどが十分に把握出来なかった
のだけれどもこのライヴでは彼らの演奏能力の高さが十分に捉えられていて、あらた
めてこのユニットの凄さを実感した。これまでも評価の高かったドラムスのパアル・
ニルセン・ラヴとベースのインゲブリクト・へケル・フラテンの二人も当然ながら素
晴らしい。とりわけニルセン・ラヴのヘヴィーにスイングするドラムスはこのユニッ
トの音楽的方向性を決定付けているといっても過言ではない。伝統的な4ビートだけで
なくファンク・ロック的なリズムやフリーにも柔軟に対応しながらはっきりと彼らの
個性が打ち出されているところはさすが。そんな彼らの特質が良く現れているのが2つ
のテイクが収録されているBoom Boomだ。こんな火を吹くような演奏を生で聴くことが
出来た観客が本当にうらやましい。これまでのスタジオ盤に物足りなさを感じていた
人にこそ聴いて欲しい。