「モランディ」で検索して、お手軽だったので購入しました。
本物の作品も見たくなりましたが、
震災の影響で来日せず、とても残念でした。
海外へ見に行く余力はないので、
これを時折ツラツラ眺めています。
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芸術新潮 2005年 05月号 雑誌 – 2005/4/25
小特集
アルテ・ポーヴェラ 削ぎおとす詩学
1967年、ジェノヴァで開かれたグループ展「アルテ・ポーヴェラ(貧しい芸術)」に参加したイタリアのアーティストたちは、石、材木、ぼろぎれなど素材を最小限に削ぎおとした作品群で美術界に衝撃を与えた そこには一体、どんなメッセージがこめられていたのだろう
三八年という歳月を経て、極東の島国の、豊田という町に、イタリアの港町ジェノヴァで誕生した「貧しい」と形容される芸術作品およそ六〇点が会することの不可思議――名古屋の中心部から小一時間、地下を走っていた電車が、いつの間にか車窓に景色をしたがえて、郊外にひろがるベッドタウンの、のっぺりした家並みにのみ込まれている、と気づくときまで、ぼんやりわだかまっていたのは、ある巡り合わせが生んだ、感慨とも問いともつかない、途惑いに似たなにかだったかもしれない。
まちがっても多寡に還元されることのないはずの「貧しさ」という質が、回顧の身ぶりのなかでは展示作品点数によってあらわされてしまうという皮肉な巡り合わせというべきか、その日開会式をむかえる「アルテ・ポーヴェラ/貧しい芸術」と題された展覧会は、イタリア本国において二〇〇〇年暮れから翌三月にかけて開かれた大がかりな回顧展を、規模において上回っているという事実を前に、はたして心穏やかにはいられそうにない予感めいたものがあった。
すこし早めに到着した会場を、順路に関わりなく、足の向くまま回ってみる。もっともお目当てはふたり、ジュリオ・パオリーニ(一九四〇年生れ)とマリオ・メルツ(一九二五~二〇〇三)。
(続きは本誌でお楽しみください)
アルテ・ポーヴェラ 削ぎおとす詩学
1967年、ジェノヴァで開かれたグループ展「アルテ・ポーヴェラ(貧しい芸術)」に参加したイタリアのアーティストたちは、石、材木、ぼろぎれなど素材を最小限に削ぎおとした作品群で美術界に衝撃を与えた そこには一体、どんなメッセージがこめられていたのだろう
三八年という歳月を経て、極東の島国の、豊田という町に、イタリアの港町ジェノヴァで誕生した「貧しい」と形容される芸術作品およそ六〇点が会することの不可思議――名古屋の中心部から小一時間、地下を走っていた電車が、いつの間にか車窓に景色をしたがえて、郊外にひろがるベッドタウンの、のっぺりした家並みにのみ込まれている、と気づくときまで、ぼんやりわだかまっていたのは、ある巡り合わせが生んだ、感慨とも問いともつかない、途惑いに似たなにかだったかもしれない。
まちがっても多寡に還元されることのないはずの「貧しさ」という質が、回顧の身ぶりのなかでは展示作品点数によってあらわされてしまうという皮肉な巡り合わせというべきか、その日開会式をむかえる「アルテ・ポーヴェラ/貧しい芸術」と題された展覧会は、イタリア本国において二〇〇〇年暮れから翌三月にかけて開かれた大がかりな回顧展を、規模において上回っているという事実を前に、はたして心穏やかにはいられそうにない予感めいたものがあった。
すこし早めに到着した会場を、順路に関わりなく、足の向くまま回ってみる。もっともお目当てはふたり、ジュリオ・パオリーニ(一九四〇年生れ)とマリオ・メルツ(一九二五~二〇〇三)。
(続きは本誌でお楽しみください)
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商品の説明
出版社からのコメント
モランディのまなざし
資料を拾い読みしていたら、こんな言葉が目にとまった。「人が実際に見ているものほど抽象的で非現実的なものはない。私はそう思っています。客観世界について見てとることのできるものは、私たちが主観であり客観でない限り、それを見て分かったと思うとおりに存在しているわけでは決してないのです。もちろん物質は存在しますよ、でもね、物質そのものには、人がそれに付与しているような意味なんて元来備わっていない」。まるでカントの「物自体」みたいだけれど、ここには静物を、とりわけ壜を見つめつづけてきた男の実感がこもっている。男の名はジョルジョ・モランディ。今月の特集「モランディのまなざし」は20世紀を代表する静物画家の魅力と秘密をときあかす。淡い色彩と穏やかな光に包まれたその作品群にはアヴァンギャルドな激情さえ秘められていた。ただの筒、演技する壜、そしてアンフォルメルのごとく溶解する風景画も素晴らしい。(編集長・長井和博)
資料を拾い読みしていたら、こんな言葉が目にとまった。「人が実際に見ているものほど抽象的で非現実的なものはない。私はそう思っています。客観世界について見てとることのできるものは、私たちが主観であり客観でない限り、それを見て分かったと思うとおりに存在しているわけでは決してないのです。もちろん物質は存在しますよ、でもね、物質そのものには、人がそれに付与しているような意味なんて元来備わっていない」。まるでカントの「物自体」みたいだけれど、ここには静物を、とりわけ壜を見つめつづけてきた男の実感がこもっている。男の名はジョルジョ・モランディ。今月の特集「モランディのまなざし」は20世紀を代表する静物画家の魅力と秘密をときあかす。淡い色彩と穏やかな光に包まれたその作品群にはアヴァンギャルドな激情さえ秘められていた。ただの筒、演技する壜、そしてアンフォルメルのごとく溶解する風景画も素晴らしい。(編集長・長井和博)
登録情報
- ASIN : B0009AFGUA
- 出版社 : 新潮社; 月刊版 (2005/4/25)
- 発売日 : 2005/4/25
- Amazon 売れ筋ランキング: - 119,948位雑誌 (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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