奇抜な演出でロボットアニメのしがらみを破壊してきたアクエリオンは、18、19話でキャラ破壊に挑戦している。
まず、ノリの良い新OP『Go Tight!』で始まる18話。
久しぶりの特訓のお題は、「相手になりきる」。
ピエールとクロエ、シルヴィアと麗花、アポロとシリウス
それぞれが入れ替わる事により、異様な世界が現出される。
トドメは、リーナが・・・・・・(恐ろしくて書けない)
キャラの内面を壊す事を試みたこのエピソードによって、そのキャラ本来の魅力を再認識出来るのではないだろうか?
さて、アクエリオン最大の問題作が19話である。
異世界に迷い込んだアポロ達が、アイデンティティ崩壊の危機に直面する演出として、普段とは雰囲気の異なる絵が使用されているのだが、どちらかというと現世パートの絵が物議を醸す結果を招いてしまった。
(水着シーンで血の涙を流したファンも多かろう)
一応これは、視聴者をターゲットにしたアクエリオンスタッフの悪戯(実験)という事になっている。
キャラ絵のイメージを壊す事により「外見に惑わされず本質を見よ」というメッセージから、「今、アニメーションに何が求められているか?」という問題提起まで色々と解釈する事も可能ではあるが・・・
いずれにせよ、一見の価値はあるだろう。
なお、DVD化にあたって修正が入っているが、衝撃度は変わっていないので安心(?)して覚悟すべし。
(冒頭のアポロとシリウスの通信シーン、過去生・回想シーン、合体シーン等、寧ろ19話クオリティを徹底するための修正とみられる)
ちなみに、星を4つにしているのは、20話がテーマ主張を優先してキャラの性格を歪め、台詞に違和感を覚えるような作りになっているから。
終盤の流れを作る為とはいえ、後味の悪い結末でこれまでの勢いを断ち切ってしまったのも残念。