「本当は僕、こういう音楽もやりたかったんですわ。」みたいな喜びに溢れた演奏が印象的です。
ルーツ・ミュージックといえば、6作目でカントリーのカバーを発表していましたが、
今回はほとんどオリジナル(しかもコステロの本名でクレジットで)の構成になっています。
カバーではアニマルズで有名になった4「悲しき願い」が興味深いところです。
シンプルなアレンジながらも温かみのあるサウンドが特徴になっており、The Bandのような雰囲気があるので、
南部アメリカの燻し銀の渋さを理解している方ならば、この作品の良さが実感できるのではないでしょうか。
今回のアルバムはきっとセールスを度外視して制作したのだから、さぞかし売れなかったのかなと思ってましたが、
そんなに極端にチャートが落ち込んでないのは驚きました。(UK11位、US39位、前作はUK10位、US35位)
同じ年代のアーティストとは異なる変化や方向のコステロの音楽性に驚きながらも、
ちゃんとそれなりに支持してもらってる彼のの器用さと創造力に感心してしまいます。
また、アトラクションズとの録音は一曲だけで、エルビス・プレスリーのバックバンドにいた
メンバー等で制作しているという点もこのアルバムの特徴になっています。