ダダイズム、シュルレアリズムをロックに反映させるという珍しい実験を行なった、トツダンの記念すべきデビュー・アルバム。
絃を緩く張ったような曲は、孤高の前衛ジャズ・ギタリスト、デレク・ベイリーなんかの影響も窺える。
同じPASSのフリクション、ツネマツマサトシも、ベイリーのファンだった。
人を喰ったような標題、歌詞、曲、演奏。
アルバム・タイトル通り、まさに、ギリギリの線で、「ロック」を成立させたような意欲作!
オリジナル・アナログは、全10曲。
シングルとのダブりは1曲も無し。
しかも、紙ジャケCD化にあたり、全くの未発表6曲収録。
これらも、興味深い。
気に入った方は、トツダンのシングル7曲がまとめて聴ける、PASSの2枚組シングル集『PASS NOT PAST EP & Singles』 も聴いてみてください。
1980年前後、こういう個性的なバンドが日本に、いたことに、あらためて驚く。
逆に、こういう妙なバンドが、何故、今、出てこないのだろう。
まあ、MAXIMUM THE HORMONEは、大好きだが。
短いながら、哀しみのこもったライナーは、故・蔦木兄と交友があった湯浅学さん。
個人的には、★五つだが、誰にでもお薦めできるブツではないので、★一つ減らしてみました。