『カプリコン・1』(Capricorn One)('77)
出演∶エリオット・グールド、ジェームズ・ブローリン、ブレンダ・ヴァッカロ、サム・ウォーターストン、O・J・シンプソン、ハル・ホルブルック、カレン・ブラック、テリー・サヴァラス、デイヴィッド・ハドルストン、デイヴィッド・ドイル、リー・ブライアント、デニス・ニコラス、ロバート・ウォーデン、ジェームズ・シッキング、アラン・ファッジ、ダレル・ツワーリング、ミルトン・セルツァー、ルー・フリッツェル、ポール・ハネイ、トッド・ホフマン、バーバラ・ボッソン、ジェームズ・カレン、ノーマン・バートルド、モンティー・ジョーダン
監督:ピーター・ハイアムズ
一応SF映画の範疇に入る映画だが、新しい特撮技術などに頼った内容ではなく、アイデア抜群の設定とスリリングな展開が売りの傑作娯楽映画だ。今となっては、歴史的背景を少しばかり説明しないといけないかもしれない。米ソの莫大な予算をかけた宇宙開発競争が進み、アメリカがアポロ11号で人類初の月面着陸に成功した8年ほどのちの1977年に製作された映画だ。
アメリカが、ついに火星に初の有人宇宙船カプリコン·1を送り込むことになる。(実際には、月面着陸から55年後の今も実現していないが…) 莫大な国家予算を食う宇宙開発への世論の批判が高まっている世相を背景に計画は進むが、発射寸前3人の飛行士は突然操縦室から引きずり出され、秘密の施設に連行される。ロケットは無人のまま打ち上げられてしまった。
だが、その後も宇宙船からの無線連絡や映像は、航空宇宙局の司令本部に送られ続け、TVの実況中継も続いている!? 何が起こっているのか……!? 国家的規模の大フェイク·ドラマを仕掛けたのは誰!? 何かが変だと気づいた司令本部スタッフと放送記者に、何者かの魔の手が迫る。そして拉致された宇宙飛行士たちの運命は…!?
[物語] 初の有人火星探査に旅立つ宇宙船カプリコン1号の打ち上げという大イベントが、副大統領も出席のもと行われていた。だが、発射寸前に3人の飛行士は強制的に連れ出され、無人の宇宙船が打ち上げられる。ブルーベーカー船長(ブローリン)、ウィリス(ウォーターストン)、ウォーカー(シンプソン)の3人の飛行士が連行されたのは古い軍事基地跡。そこには、宇宙船内や火星の地表や着陸艇の精巧なセットとTVの放映機器が完備されていた。
そこに現れたカプリコン計画の責任者ケラウェイ博士(ホルブルック)が驚くべき事実を告げる。生命維持装置の重大欠陥が発見され、計画頓挫は必定だと言う。そうなると、莫大な計画予算の大幅削減は必至。国のメンツも地に落ちる。そこで、フェイク映像を世界に発信して、火星探査が大成功したことにすると言う。計画のために必要なウソと、世界中を騙すことの罪悪感のジレンマに陥りながら、フェイク·プロジェクトを遂行し始める3人……。
ヒューストンのカプリコン計画司令本部では大半の職員が、宇宙船から送られてくる通信や映像がフェイクとは知らないままにすべては進んでいた。技術職員の一人、ウィッター(ウォーデン)が、送られてくる映像のタイミングに微かな疑問を抱き上司に報告するが、適当にあしらわれる。ウィッターは、友人の放送記者コールフィールド(グールド)に、疑問があることを漏らすが、直後ウィッターは忽然と姿を消す。
さらに、コールフィールドが運転する車のブレーキが突如効かなくなり、高速で暴走し始めて海中に転落、九死に一生を得る。カプリコン計画のウラの何かを隠蔽する陰謀が……!? 記者魂に火の点いたコールフィールドは危険を顧みず、ブルーベーカー船長夫人(ヴァッカロ)に接近し、捜査を開始する。一方、カプリコン1号は無人のまま帰還するが、再突入時の事故で消滅してしまう。死んだことになってしまったブルーベーカーら3人は命の危険を察知して、監禁されていた基地から脱走するが……!?
近未来の設定ではあるが、舞台背景は完全に現代(1977年当時)のままなので、SF映画としてではなく、スリル満点のサスペンス·アクション映画として最上級の作品だ。当時まだ30歳代前半のピーター·ハイアムズ監督の才気が光るハラハラシーンの数々で大いに楽しませてくれます。
派手な破壊や爆発シーンはないが、(おそらく車の前部に付けたカメラで)ローアングルで撮影された暴走カーアクションはスピード感抜群だ。他にも、農薬散布用の複葉機と2機のヘリコプターが、地表スレスレで繰り広げる空中アクションなど見せ場も盛り沢山だ。この数年前に、比較的低予算のポリス·アクション映画『破壊!』で頭角を現したハイアムズ監督。『破壊!』で見せたハンディカムによる切れ味鋭いアクションから、グッとスケールアップした見せ場に大満足だ。
[余談] 昔初めてこの映画を見た時、世界的な大イベントをフェイク映像によるウソで固めてしまうという設定は、「ありえないけど、じつに面白い設定だ」と感心したものだが、今やウクライナやイスラエル·ガザ地区などの紛争で、フェイク画像は当たり前に使われていることにゾッとする。10数年前、北京オリンピック開会式の無数の花火に彩られた華麗な生中継映像が、CGによって盛られてるらしいと聞いたこともある。火星への人類到達はまだだが、世界を騙す映像技術は実現しているようです。
カプリコン・1 [DVD]
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商品の説明
レビュー
製作: ポール・N.ラザルス3世 監督・脚本: ピーター・ハイアムズ 撮影: ビル・バトラー 音楽: ジェリー・ゴールドスミス 出演: エリオット・グールド/ジェイムズ・ブローリン/ブレンダ・バッカロ
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83 g
- EAN : 4933364210135
- 監督 : ピーター・ハイアムズ
- メディア形式 : DVD-Video
- 発売日 : 2005/6/24
- 出演 : エリオット・グールド, ジェームズ・ブローリン, ブレンダ・バッカロ, サム・ウォーターストン, テリー・サヴァラス
- 販売元 : ビデオメーカー
- ASIN : B0009J8K6S
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 85,716位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 7,962位外国のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
イメージ付きのレビュー
4 星
「こういうのでいいんだよ、こういうので」―井之頭五郎
.レビュー対象は国内版VHS(TOHOKUSHINSHA HOME VIDEO VZ-821)。 アポロ11号の月面「未」着陸説の元ネタにもなった(逆ではないはず)傑作。最近になってオリジナル長尺版のBlu-rayが出た由だが、そちらは未見。公開時に劇場で観た時は(これがその長尺≪特別版≫Blu-rayと同内容だったらしい)、奇想天外な内容もさることながら、TVでお馴染みだった『刑事コジャック』のテリー・サヴァラスや『チャーリーズ・エンジェル』のデイヴィッド・ドイルの顔がスクリーンに大きく映し出され、それがまたいつもの森山周一郎や富田耕生(本年9/27逝去。合掌)の声でなく地の英語で喋るのが何とも可笑しかった。 斯様にかなり子供っぽい視線での鑑賞にも拘らず、タテマエのためには国民の信義も生命も犠牲にして憚らない国家権力の傲慢と冷血をスリル&サスペンスいっぱいに描く本作、その「今そこにある陰謀」のリアリティにはローティーンの評者も心底から慄然とせしめられ、例えばまさに現在、一部で取り沙汰の止まない某国大統領選挙での不正疑惑において未だ反射的に連想したりする。 で、幾歳月を閲して再見すると、さすがに古めかしさを否めない部分が散見されなくもない。失踪した友人を探すエリオット・グールドは、他にもうちょっと探しようがあるんじゃないかと思ったりするし、その彼が命を脅かされる諸々の事件も、いちいち詰めの甘い敵の不手際がご都合主義的過ぎ。他にも、一介の新聞記者があんなにアッサリ秘密の場所を見つけられるもんかね?とか、彼がついに確証を掴む宇宙船船長のペンダント、あれはどこをどう巡ってあそこに落ちていたのか?等々、等々…。宇宙飛行士たちの基地からの脱出劇、複葉機で敵ヘリコプターを撃退する戦法もよくあるパターンで、スリルや迫力とは別にいささか安直&大ざっぱ。そのヘリコプター同士が顔を見合わせて相談(?)する場面には苦笑する(とは云え、『宇宙戦争』―火星!―のウォー・マシンさながらの不気味な生物感は、権力悪の巨大でドス黒いグロテスクを隠喩してなかなかだが)。 反対に登場人物たちの性格描写は、こちらはちょっと盛り込み過ぎじゃないかと思うくらいに念入りで、ワスプ、ユダヤ、アフリカン三者三様の宇宙飛行士(就中、最後までユダヤ・ジョークの止まないサム・ウォーターストン)はもとより、グールド、サヴァラス、ドイルにカレン・ブラック、それに政府お偉方の面々の一クセあるキャラクタライゼーションは映画ならでは(ジェイムズ・カレン演じる副大統領は、マスクと云いキャラと云いどうしても今回の某国は新・大統領―未だ候補と云うべきか?―を思い出させる)。着想やプロットの秀抜さ以外に、本作では全体にダイアローグが出色で、ビリー・ワイルダーやヒッチコック映画の名シナリオを彷彿とさせるほど。原案・監督の他に脚本も手がけたピーター・ハイアムズのユダヤ系ならではの才気煥発、アイデアが溢れるようなノリノリっぷりが素晴らしい。この点、ほぼ同時期に製作・公開、類似テーマでやはり傑作の政治不信サスペンス『カサンドラ・クロス』も一歩を譲る。理想を追い求めるうちに独善に染まり、情もモラルも見失って罪悪感のカケラもないNASA高官ハル・ホルブルックは『ダーティハリー2』『大統領の陰謀』『密殺集団』同様のハマり役。場をさらう長ゼリフもひときわ(一番?)多く、儲け役の上に名演技と云うべき。 結局のところ、モダンでリアルなテーマやプロットとは裏腹に、上記のようなクリシェも含めて意外にオールド・ファッションなスタイルが本作のカギ、未だに面白さが古びない所以と思われる。さらにヒイキ目で云えば、細かいところにこだわり過ぎないテンポの良さが全体のペースを崩さず保って、最後まで飽かさず一気に観せるのが昔ながらのハリウッド流、公開当時の評者のような未成年層も含めた老若男女を漏れなく存分に堪能させる―まさにヒッチコックに代表される―伝統芸、とも。ハッピー・エンドは結構だけれど、この後みんなどうするの?と苦笑させる結末もどこかレトロチック。アレコレ予備知識がないと映画を観ちゃダメ!みたいな教養主義的ムードがはびこる昨今―江戸・明治の団菊オヤジと云いバブル時代のグルメ・ブームと云い、映画でも蓮實重彦流の表層批評に某人気月刊誌(最近一時休刊、すぐに復刊した)等々、なぜか日本ではサブカルチャーがすぐにタコ壺化、特権意識の下でマウントの奪い合いが始まる。丸山眞男あたりに理由を訊いてみたいところ―だが、「映画は飽くまで娯楽」と、本作のような逸品を観るたびしみじみ思う。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2024年1月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2023年7月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
実際にありそうな話だ。
ただ、詰めが甘い。
政府の陰謀ならあんな記者などとっくに消されていると思う。
FBIまで出てきて捕まってあっさり出所できるはずがない。
複葉機とヘリの空中戦はなかなかの見物。
翼のワイヤに摑まったままの飛行も現在の戦闘機よりむしろスリルがある。
ハッピーエンドに見えるがあとの2人はどうなったのか気になる。
ただ、詰めが甘い。
政府の陰謀ならあんな記者などとっくに消されていると思う。
FBIまで出てきて捕まってあっさり出所できるはずがない。
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ハッピーエンドに見えるがあとの2人はどうなったのか気になる。
2023年10月2日に日本でレビュー済み
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特別版のBlu-rayを買った数年後、下鴨の古本まつりでパンフレットを見つけて購入しました。
どちらも買ってよかった。
どちらも買ってよかった。
2022年3月7日に日本でレビュー済み
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昔、テレビ放映で視聴していたので、懐かしさと、もう一度見たい気持ちから購入しました。突っ込みどころがないわけではないですが
私にとっては、お気に入りの作品の一つに加わりました。購入して良かったです。
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2022年3月1日に日本でレビュー済み
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約40年ぶりでノーカット版の美しい映像で、この傑作サスペンスを再見でき、感動ものです。どうも有難うございました。
2020年1月8日に日本でレビュー済み
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通常版との価格差に関して、どうしても見たいと考えておられる方々以外には高く感じると思われます。
私自身はこの手の発掘物には目がなく、劇場でも観たことがあるため、東宝東和のロゴや
焼きつけてある字幕を見ると、それだけでおなかが半分膨れてしまいますので、発掘されたフィルムを
青円盤に復刻してくれたことにとても感謝しておりますから、金額がたとえ三倍だったとしても
特別版を選択したことでしょう。付録の冊子に日本公開版と123分版との違いが懇切丁寧に書かれており
企画した方の本気度とこの作品の好き度がうかがえます。
また、こっちのバージョンを購入する前にもっていたDVD版には日本語吹き替えがついていなかったため
TV吹き替え版ではありますが、つけられたことはありがたかったですね。
作品の内容に関しては他の方が十分に語ってくださってますので、あえて述べるようなこともないですが
タイトルや前宣伝と違って宇宙のシーンが無いに等しく、むしろサスペンスものだった事のギャップが
初めて見た当時印象に残りすぎるぐらいだったことは今でも忘れてません。
こちらのバージョンを高く感じられたとしても、通常版で十二分に作品の魅力は感じられますから
そちらの価格でご検討ください。
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このレビューの画像
2019年12月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昭和56年(1981年)にテレビ朝日の「日曜洋画劇場」での日本語吹替版と、ロングバージョンの日本公開版という「特別版」。かつて販売されていたDVDには吹替がなく、いつかテレビでやらんかなぁと想っていた。
「事実」とは何か? 昨今の「フェイクニュース」の怖さにも通じる名作である。
「事実」とは何か? 昨今の「フェイクニュース」の怖さにも通じる名作である。
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「事実」とは何か? 昨今の「フェイクニュース」の怖さにも通じる名作である。
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このレビューの画像
2018年7月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ヨーロッパと日本の劇場公開時だけだと言われている、我々にとってのいわゆる完全版は128分。2016年にイギリスで出たブルーレイには期待していたのですが、やはり123分バージョンだったのには本当にガッカリしました。恐らくもう見れないのでしょうねぇ、NASAが火星の光景だけではなく、宇宙船のドッキングまで大掛かりに捏造していたというシーン。ここ前半のサスペンスのリアリティの要になるところで、見せ場の一つなんですが・・・。映画の準備段階ではとっても協力的だったNASAが、内容が明らかになると急に掌を返して妨害をし始めたとも噂されるこの映画、アメリカでの公開にあたってここだけは使わせない!と突っぱねた結果が妨害と言われているのかも知れません。
しかし、私はビデオデッキという存在すらなかった学生時代に、こんなに面白い映画は生涯脳内に録画しておかねばならないと場末の2番館で繰り返し観たものですが、このカットされた5分のシーンは特に印象に残っています。ここがあるのとないのでは、やはり全然違う。
幻の完全版を待って、レターボックスの画質も音質も悪いDVDで我慢してきましたが、スクイーズのブルーレイが廉価版で出ているのであればそろそろ私も買い替えをする時がきたようです。どうしてもカットされたところでテンションが下がってしまうのですが、結局このワクワクハラハラドキドキの活劇に最後にはマックスまでテンションは振り切れてしまいますから良しとしましょう!脳内で再生しなくても、夫婦で観てヘリコプター撃退に思わず揃って拍手したり、自分が内緒でメッセージを送る時には”去年の京都の太秦”って言うわと会話したりできるのは幸せです。
それでも私はやっぱり吹替なんかよりも、あの5分を探索してきて欲しかった・・・・。SF映画のムック本とか読んで、”カプリコン・1”ランニングタイム128分とか129分とか書いているのをみると切なくなるんです。
しかし、私はビデオデッキという存在すらなかった学生時代に、こんなに面白い映画は生涯脳内に録画しておかねばならないと場末の2番館で繰り返し観たものですが、このカットされた5分のシーンは特に印象に残っています。ここがあるのとないのでは、やはり全然違う。
幻の完全版を待って、レターボックスの画質も音質も悪いDVDで我慢してきましたが、スクイーズのブルーレイが廉価版で出ているのであればそろそろ私も買い替えをする時がきたようです。どうしてもカットされたところでテンションが下がってしまうのですが、結局このワクワクハラハラドキドキの活劇に最後にはマックスまでテンションは振り切れてしまいますから良しとしましょう!脳内で再生しなくても、夫婦で観てヘリコプター撃退に思わず揃って拍手したり、自分が内緒でメッセージを送る時には”去年の京都の太秦”って言うわと会話したりできるのは幸せです。
それでも私はやっぱり吹替なんかよりも、あの5分を探索してきて欲しかった・・・・。SF映画のムック本とか読んで、”カプリコン・1”ランニングタイム128分とか129分とか書いているのをみると切なくなるんです。