何年経っても相変わらずの馬鹿さ加減をぶっ飛ばす、『The Aquabats』の面々に驚きを通り越し、尊敬の念を抱き始めている。
1999年発売の“Aquabats Vs. the Floating Eye of Death!”から、実に6年。1つのジャンルが確立するのに十分な時間をかけて、1枚のアルバムを産み落としたわけで、相当な難産。それだけに、愛情も一入。アルバムタイトルに前作よりも1つ多くびっくりマークを付けてきた。“Charge!!”
たった1つの「!」が何を意味するか、限りなくポップで、限りなく馬鹿らしく、限りなく楽しい、洗練された曲達を聴けば、確かに「!!」となるだろう。
金管系が影を潜め、金管系Ska中毒患者としては一抹の寂しさを感じずにはいられないけれど、薄っぺらで、チープなキーボードが耳にいつまでも残る、すばらしいリフで全曲を引っ張ってくれている。
初期のWeezerを彷彿させる、“負け犬”的歌詞は、『The Aquabats』のメンバーの見てくれと相まって、真実味を帯びて、愉快な曲と反比例するように、いや、比例するように軽快で、ユニークな世界を形成している。
7曲目「Nerd Alert!」(The Aquabatsの曲名には必ず「!」がつく)で、"The revolution has begun So raise your fist and take a stand With your super cool wristbands!" なんて、本当にチープなキーボードと、軽快なギターにのせられて、「ホント、あのリストバンドってカッコいいよね」みたいに思えてきたりしないだろうか?
一言断っておこう、私は“寄付”自体はすばらしい事だとは、思っている。しかし、あのリストバンドは……。
さておき、しばらくぶりの『The Aquabats』の“Charge!!”を聴いて、寒さの冬にオロオロせずに、笑顔を振りまいて生きていこう!!