ロックバンドThe Smashing Pumpkinsにギタリストとして在籍していた日系アメリカ人、ジェームス・イハによりプロデュースされた本作。
全体の音はそこまでゴリゴリのロックを表に出しているわけではない。でも、その核は間違いなくロックバンドのサウンドだと思います。
・アルバム劇中BGM群の表現はギターサウンド中心として幅広いジャンルが網羅されている。
例えば、オープニングタイトルに使用されている曲(1)。ギター逆回転で画面に吸い込まれるようなロックっぽい表現をしているかと思えば、(15)(16)のような情感や情景を表す温かいピアノ旋律によるクラシカルな表現もあります。
また、夜の学校に忍び込む際の(11)。聞いてるだけでコソ泥感が半端ないアコースティックギター。(10)もタイトル同様にアコギとスライドギターが風を思わせる心地よさがる。
そして、(12)(13)の全体的にシューゲイザー的な透明感・浮遊感を思わせる、ギター・キーボードが印象的。
・楽曲で演奏時間がフルに入ってるのは、劇中では演奏されなかった「僕の右手」のみ。
「リンダリンダ」「終わらない歌」は劇中と同じ演奏時間です。ペドゥナの声がいいですね。ソンさんの素人っぽさ、朴訥っぽさがそのまま声にもしっかりでてる。
・劇中未使用ながら(7)(9)Base Ball Bearの楽曲も入ってますが、作品の世界観やアルバムの流れを損なうことはありません。
むしろ「ロックバンド」というテーマにより深い世界観をアルバムを通して感じさせてくれます。
・湯川潮音の声のよさ。(17)(18)に入ってます。聞けばわかる。今村萌役でも出てるけど声の表現力で別な意味で存在感があった。