PTU [DVD]
フォーマット | 色, ドルビー, ワイドスクリーン |
コントリビュータ | ルビー・ウォン, アウ・キンイー, サイモン・ヤム, ジョニー・トー, パトリック・ヤウ, レイモンド・ウォン, ラム・シュー |
言語 | 日本語, 広東語 |
稼働時間 | 1 時間 28 分 |
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商品の説明
商品紹介
「PTU」は、一晩の偶発的な事件を追って、3組の警察チームが奇妙な連帯で繋がれていく、スタイリッシュなサスペンス・アクションである。深夜、犯罪が横行する雨上がりの路上で、各々の事件を追う警察チーム:組織犯罪課の刑事、特捜課のCID、そして機動隊PTU。彼らのタイムリミットは午前4時。それぞれの思惑は予想外に 絡まり合い、偶然は必然となって彼らへと襲いかかる。そして夜明けと共に事件の核心は明らかになるのだが・・・・・。 1980年代、香港ノワールというべきジャンルを生み出したジョン・ウー監督の「男たちの挽歌」'86以降、その流れを受け継いだと言われているジョニー・トー監督。彼が創り上げるサスペンス・アクション作品は、現在、香港ネオ・ノワールと呼ばれ世界中の映画ファンから高く評価されている。本作「PTU」はまさに彼の集大成とも言うべき作品で、撮影から完成まで2年の歳月をかけた渾身の一作である。全編を包み込む、闇を生かした独創的なライティングと、深夜の街で敢行されたロケーション、そして綿密なリサーチに基づいたリアルな警察描写は、ドラマに緊迫感を持たせる事に成功し、今までにない衝撃と興奮を我々に与えてくれる。ジョニー・トー監督は70年代末に香港ニュー・シネマの立役者として監督デビューし、ヒット・メーカーとして高い評価を得る。そして90年代に入ってからは、従来の香港映画とは異なる着眼点で、独特の作風と斬新な発想の作品を発表し続けている。「本当に撮りたかった作品」と自ら言うだけあって、「PTU」製作にあたっては根気強く妥協を許さぬ姿勢が貫かれた。エンターテイメント性を重んじる香港映画界において、「PTU」の様な作品はマーケットからすると地味な印象を拭えず、出資を募るのは困難だった。その為にトー監督は「痩身男女」'01や「アンディ・ラウの麻雀大将」'02などのヒット作を撮り上げ資金を確保。その合間を縫って「PTU」の撮影を続けた。自作の「ザ・ミッション/非情の掟」'99でも見受けられる様に、ビッグ・ネームのスターを起用せず、実力派や若手俳優たちを巧みに演出して作品を完成させ、その結果、香港のアカデミー賞である第23回香港電影金像奨で見事、最優秀監督賞を勝ち取った。
Amazonより
チンピラに拳銃を盗まれた刑事。本来ならば報告義務があるにもかかわらず、仲間である機動隊「PTU」は、午前4時までと決めて、拳銃を探すことにする。PTUの行動を怪しむ特捜課「CID」、さらに黒社会の抗争が絡み、一夜の物語は思わぬドラマへとなだれこんでいく。香港ノワールの担い手、ジョニー・トウが、そのシャープな演出力をいかんなく発揮し、88分の上映時間中、緊密な空気は一瞬たりとも緩むことはない。冒頭から予想外のバイオレンスで圧倒するのだが、とぼけたユーモアも織り込まれ、観る者を飽きさせないのだ。
登場人物の行動に、常識よりも「情」が優先されるのは、いかにもアジア的で、ハリウッドのアクション映画とは一線を画している。この「情」は、刑事たちの行動に色濃く反映され、彼らが証拠を隠そうとする裏工作は妙にリアル。複数の人間関係とドラマが、ひとつに収縮されるクライマックスはカタルシスたっぷりだ。予定調和な展開ではなく、事件や人間心理の説明不能な部分を、そのままドラマにし、しかも娯楽作として成り立たせているところが本作の秀れたところ。夜の香港の街。その深い闇も、ムードを盛りあげる。(斉藤博昭)
レビュー
ツイ・ハークやリンゴ・ラム、ジョン・ウーらがハリウッドへと去った後、香港ノワールを一気に引き受けているジョニー・トー。『ロンゲストナイト』『ヒーロー・ネバー・ダイ』などで人気監督となった彼が「本当に撮りたかった」として2年を費やし、国内外の賞に輝いたのがこの映画だ。ぱっと見しただけでも必見場面が満載。ブルーがかった暗闇の香港の街の風情、スポットライトの中に浮かぶ上がる機動部隊のシャープな動き……かなりカッコイイ。これはもうリドリー・スコットのスモークか、石井隆の雨に匹敵する得意技である。そんな映像美の中に登場するのは夜の香港を警備するPTU(=香港警察特殊機動部隊)とマフィア殺しを追う特捜課CID、そしてなくした拳銃を探す組織犯罪課の刑事。彼らがそれぞれの事件を追って午前4時に出会うとき、何が起きるのか……。警察内部のかばいあい、不正といったテーマについて、熱く語る監督インタビューも見もの。 (米田由美) --- 2005年12月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
製作・監督: ジョニー・トー プロデューサー: パトリック・トン 脚本: パトリック・ヤウ/アウ・キンイー 撮影: チェン・シウキョン 監督補・編集: ロウ・ウィンチョン 音楽: チュン・チーウィン 出演: サイモン・ヤム/ラム・シュー/ルビー・ウォン/マギー・シュー/レイモンド・ウォン
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- アスペクト比 : 2.35:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 日本語, 広東語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4988003973735
- 監督 : ジョニー・トー
- メディア形式 : 色, ドルビー, ワイドスクリーン
- 時間 : 1 時間 28 分
- 発売日 : 2005/10/5
- 出演 : サイモン・ヤム, ラム・シュー, ルビー・ウォン, レイモンド・ウォン
- 字幕: : 日本語
- 言語 : 日本語 (Dolby Digital 2.0 Stereo), 広東語 (Dolby Digital 6.1 EX)
- 販売元 : キングレコード
- ASIN : B0009VEBQO
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 155,825位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 264位外国の刑事映画
- - 834位アジアンアクション映画
- - 5,564位外国のミステリー・サスペンス映画
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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出演∶サイモン・ヤム、ラム・シュー、 ルビー・ウォン、マギー・シュウ、レイモンド・ウォン、エディ・コー、ロー・ホイパン、ウォン・ティンラム
監督∶ジョニー・トー
香港·九龍半島の繁華街·尖沙咀(チムサアチョイ)。その夜は、4人組の強盗団が大金を盗み、一人の警官を殺したというラジオ·ニュースで幕を開けた。それに続いて起きた殺人事件と、警官の拳銃盗難事件。路上駐車の車の窓が次々割られる怪事件。
同時進行する複数の事件が絡み合って起こす化学反応……。組織犯罪課のはみだし刑事、CID(=特捜課)のエリート刑事たち、そしてPTU(Police Tactical Unit=香港警察特殊機動部隊)の3組の面々が、ある時は協力し合い、ある時は足を引っ張り合いながら、長い一夜が始まる…。
香港ノワールの巨匠と言われるジョニー·トーが、いつものハードボイルドな雰囲気はそのままに、他の主要作品とは逆に警察官の立場から犯罪社会の波乱の一夜を活写する。警官同士の友情、葛藤、ライヴァル関係に、黒社会の抗争劇を絡ませた巧みな脚本が光る、"香港ポリス·アクション"の傑作だ。
[物語] 夜の巡回に出動するホー隊長(ヤム)率いるPTUの車のラジオが、強盗殺人事件の発生を報じていた。その頃、ある食堂に立ち寄った組織犯罪課(マル暴)のサァ刑事(シュー)は、ある組の親分"ハゲ"(ホイパン)の息子マーとその手下たちを相手にトラブルを起こしていた。
サァ刑事の車にキズをつけた手下たちをサァが追っていった後、一人取り残されたマーが、他の組のチンピラに刺し殺されてしまう。手下たちに追いすがったサァは、足を滑らせて転倒。頭を強打して失神し、気がつくと拳銃が失くなっていた。手下たちの仕業か!?
通りかかったサァの友人のホー隊長は、事態の報告をひと晩秘匿し、夜明けまでに拳銃を探すため、部下とともに奔走し始める。サァもまた、職務を逸脱した暴走捜査を開始。町のチンピラや"ハゲ"の組の組員らに揺さぶりをかける。息子を殺された"ハゲ"は、敵対する親分の"ギョロメ"の仕業と決め込んで、抗争に火が点いてしまう。
マー殺しを捜査するCID(特捜課)の女警部チョン(ウォン)以下エリート刑事たちは、怪しい動きを見せるサァ刑事やPTUに疑惑を抱き、警察同士が化かし合う異常事態に! おまけに、ホー隊長の部下たちは、路上駐車の窓が連続して壊される謎の事件に遭遇してしまう。夜の巷は敵味方入り乱れて、水面下の大乱戦になってゆく……!!
スター俳優·女優は使わないシブい配役だ。ホー隊長のサイモン·ヤムは悪役·脇役も多いが、アンジェリーナ·ジョリーの『トゥームレイダー 2』にも出演した俳優。サァ刑事のラム·シューは、ジョニー·トー作品の常連で、その肥満体で数多くの出演作でお馴染みの個性派として知られている。
あるひと晩の尖沙咀(チムサアチョイ)地域限定の小ぢんまりとした物語だ。派手なドンパチが売り(?)のジョニー·トー作品にしては、おとなしいので、物足りなさをおぼえる方も多いだろう。(一応、クライマックスにそこそこ派手な銃撃戦は用意されてますが……)
だが、数々の伏線を巧みに張り巡らした脚本は上等だと思う。ブルース·リー、ジャッキー·チェンからチョウ·ユンファ、レスリー·チャンらがスターだった頃のエネルギッシュだが粗削りな香港映画の時代に比べると、地味には違いない。しかし、"見世物映画(←失礼!)"から"オトナの映画"へ、長足の進歩を遂げたと言ってもいいのではないでしょうか。
香港香港、PTU、CIDに、地元を仕切っているハゲとギョロ目、その手下たちが入り乱れるので、なかなか全体把握が難しい。
権力者の暴力のあいだに、いくつかユーモアな場面が出てくるのだが、どれもさほど笑えなかった。
携帯の着信音ネタはしつこすぎるし、PTUのビンタもしつこすぎる。しつこいといえば、階段をあがるシーンも演出が長すぎてしつこい。
ラストシーンのハチャメチャっぷりと最後のオチはそこそこ楽しめた。
香港の繁華街チムサチョイで起きた殺人事件を背景に描き出した作品です。
PTUの一部隊のリーダー格を演じたサイモン・ヤムのポーカーフェイスで
容疑者に暴力を加え続ける演技は強烈で、
職務への忠誠心と紙一重の無機質な狂気が感じられます。
しかし、ドラマが始まる契機となる事件
(顔役の一人の息子であるチンピラ青年が殺され、
現場付近に居合わせた刑事の銃が盗まれる)が出来事として
ひどく些末に感じられた上に、
似たような場面の反復が続くので個人的にはやや退屈を感じました。
ラム・シュー演じる銃を盗まれた私服警官が
不正を働き窮地に追い込まれていく展開も何となく予測がつくため
見ている側としては緊張感に乏しく、冗漫に感じました。
また、制服部隊PTUと私服部隊CIDが拮抗して捜査を行う対立構図も
あまり興味を持続させる方向に生きていなかった感触を受けました。
DVDの特典映像に収録されたインタビューを見る限り、
もたれあいで成り立つ警察社会と
時として不正を働いても予定調和を図る行動原理を
監督は必ずしも否定的にではなく描こうとしたらしく、
その面では確かに成功しています。
だが、方向性を苦慮した結果本作の撮影に二年も懸かったという回顧や、
「本作は飽くまで習作」という発言からは、
作り手自身の迷走や軸のぶれ、作品に対する肯定感の低さが濃厚に感じられ、
それが作品のもたつきとして如実に現れてしまった感があります。
追記
この作品を観る時は、冒頭部分の隊員たちがトラックに乗せられているところの会話とラジオのニュースを、決して聞き逃さないでください。
最後に繋がっています。
本作には警官や悪党が大勢出てきますが、観る者が感情移入できる登場人物は現れません。何故ならそこに善玉・悪玉の区別がないからで、彼らは一様に「夜歩く者たち」として等価に描かれています。そういう意味では「全員悪人」を謳った北野武「アウトレイジ」に似ているのかも知れません(作風は全く異なりますが・・・)。
夜の街の治安を守るべく出動する機動隊の姿から始まる本編において、カメラは大都会の美しい夜景の根っこに分け入っていき、大都会の底の深夜の風景とそこで蠢く者たちの生態をさながら海底のように映しだします。そして実に様々な光りと影のなかに浮かび上がる光景は時に可笑しく、時にゾッとするほど残酷で、そのなかでそれこそ水を得たように生き生きと動きまわる異形の者たちの表情を、アクアリウムを覗くような美しさで切り取って画面に提示してくる本作から受けるユーモラスでなにやら幻想的な印象は、アニメですが押井守「うる星やつら2/ビューティフル・ドリーマー」での友引町の夜の描写に通じるものを感じさせます。
そしてついに大都会の夜の異形の主・・・「ハゲ」と「ギョロ目」という対立するボスが観客の前に姿を現わすクライマックスに至るまでの「地獄めぐり」ということになると、魅力的な「水先案内人」が必要不可欠になりますが、これを勤めるのが拳銃をなくしてしまったサー刑事こと林雪(ラム・シュウ)です。冒頭、威張りくさったフグのように登場したかと思うと、滑って転んで汚れたうえに、拳銃探して夜どおし駆けずり回らなくなってしまったサー刑事の様子は、頭に巻いた手拭いのおかげでオコゼのように見えますが、その恫喝し哀願しヤバくなったらさっさとずらかるタフで狡猾なジタバタ振りの、汚らしくも憎みきれない感じは、セルジオ・レオーネ「続・夕陽のガンマン 地獄の決斗」のイーライ・ウォラックを彷彿とさせます。
以上、長々と記しましたが、一度観ても決して損はしない映画だと思います。少なくとも文中引き合いに出した三作品のファンの方には強くお薦めできると思います。
ていました。しかし、少し期待が外れました。本作公開直前にBS2で
見た同監督による『ザ・ミッション/非情の掟』(以下「前作」)程に
は、密度が濃くはなかったからです。
実際、前作は『男たちの挽歌』を源流とする香港ノワールの正嫡と言
うべきもので、拳銃だけを頼りに生きる男達の孤独な闘いとそれ故の秘
かな友情を、乾いた画調で描き切って秀逸でした。本作でもPTU(警
察機動隊)のキリリときまった制服姿や四方に銃を構える隊型はとても
格好いいし、明暗のコントラストが点滅する画面は、思わず『第三の
男』を想起してしまうほど鮮やかなものでした。しかし、本作でのPT
Uの隊員と組織犯罪課の刑事を結んでいるのは、友情ではなくてどこま
でも身内意識であり、それだけでも前作よりは減点せざるを得ません。
その代わり、マフィアのボス間の滑稽な撃合いや拳銃を落として恐怖に
震える犯罪捜査課の女性警部の姿などには、ブラックユーモアというべ
き味わいがありますが、これも全体のトーンとなじんでいるとは思え
ず、失点を挽回する程のパワーは感じられませんでした。
なお、本作の舞台として切り取られた夜の香港の表情は、わたしには
トリューフォやメルビルが描いたパリよりもずっと魅力的でした。都市
としての澄ました顔と猥雑な素顔が奇妙に連なる街からは、ここに暮ら
す人々のエネルギーに満ちた生活の息遣いが聞こえてくるようでした。
特筆しておきます。