伊丹十三DVDコレクション お葬式
フォーマット | 色, ドルビー |
コントリビュータ | 菅井きん, 宮本信子, 大滝秀治, 津川雅彦, 伊丹十三, 山崎努 |
言語 | 日本語 |
稼働時間 | 2 時間 4 分 |
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商品の説明
Amazonより
井上侘助(山崎努)とその妻・千鶴子(宮本信子)、ともに俳優のふたりがCMを撮影中に、千鶴子の父・雨宮真吉(奥村公延)が死んだとの知らせが入った。ふたりは、マネージャーの里見(財津一郎)らとともに伊豆の病院へ向かい、千鶴子の母・きく江(菅井きん)を喪主に、通夜と葬式を執り行うことになるが……。
俳優・伊丹十三の記念すべき監督デビュー作。エッセイストとしても著名な彼は、妻・宮本信子の父の葬儀を体験し、死という悲しい出来事の中、繰り広げられる滑稽な出来事の数々に驚き、それを基にまさにエッセイのような映画を作り上げた。争議を経験したことのある者なら実によくわかるエピソードが満載だが、やがては人間讃歌をかなであげていく手腕がお見事。ラストの菅井きんの挨拶のシーンは感動ものだ。またそれぞれつぼをわきまえたキャスティングも絶品である。キネマ旬報ベスト1などその年の映画賞を独占。世界に誇る伊丹映画の輝かしい幕開けはここから始まった。(増當竜也)
レビュー
監督・脚本: 伊丹十三 出演: 山崎努/宮本信子/菅井きん/大滝秀治/財津一郎/笠智衆/高瀬春奈/津川雅彦
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- アスペクト比 : 1.33:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 日本語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4988102033231
- 監督 : 伊丹十三
- メディア形式 : 色, ドルビー
- 時間 : 2 時間 4 分
- 発売日 : 2005/8/24
- 出演 : 山崎努, 宮本信子, 菅井きん, 大滝秀治, 津川雅彦
- 字幕: : 英語, 日本語
- 言語 : 日本語 (Mono)
- 販売元 : ジェネオン エンタテインメント
- ASIN : B0009VEBSC
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 33,908位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年6月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
伊丹十三『「お葬式」日記』(文芸春秋刊)を読んで
懐かしさのあまり購入。映画館にアシを運び、
まるまる2回・・・以後TV放映、レンタルビデオで
これでもかと観倒した本作も随分とご無沙汰30余年ぶり?
ムカシのブラウン管にぴったりサイズだったスタンダード画面
いまじゃコチラがワイド画面に合わせて左右に黒味が付くこのご時世。
あぁっ"カラー映画だった"のを思い出した!
懐かしさのあまり購入。映画館にアシを運び、
まるまる2回・・・以後TV放映、レンタルビデオで
これでもかと観倒した本作も随分とご無沙汰30余年ぶり?
ムカシのブラウン管にぴったりサイズだったスタンダード画面
いまじゃコチラがワイド画面に合わせて左右に黒味が付くこのご時世。
あぁっ"カラー映画だった"のを思い出した!
2013年4月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
レンタルビデオにも無く、安く新品を買えた。懐かしく見ることができた
2023年11月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最近本作映画のビデオを買ったため勢いて゛購入しました。中古品との事でしたが、なんと新品でした❗️
当時の時代背景が色濃く反映された内容で、読み物としても面白かったです。既に引退されたり或いは鬼籍に入られた俳優さん達の写真やコメントや制作の裏話の数々にしばし見入ってしまいました。
40年も前の映画パンフが簡単に、しかも新品で手に入るなんて!😳 一体何処に保管されてたんでしょうか?
ネット時代の凄さを感じますね。
映画鑑賞の楽しみが倍増しました。ありがとうございました。😀
当時の時代背景が色濃く反映された内容で、読み物としても面白かったです。既に引退されたり或いは鬼籍に入られた俳優さん達の写真やコメントや制作の裏話の数々にしばし見入ってしまいました。
40年も前の映画パンフが簡単に、しかも新品で手に入るなんて!😳 一体何処に保管されてたんでしょうか?
ネット時代の凄さを感じますね。
映画鑑賞の楽しみが倍増しました。ありがとうございました。😀
2022年6月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
かなり良かったです。
2023年6月9日に日本でレビュー済み
2時間ぐらいあるんだけど、全然長さを感じさせない。驚異的な演出。これぞ伊丹映画。とにかく飽きない。
メリハリがあり、クスッと笑わせるのがうまい。そしてお客を感動させようというあざとさがない。それが逆にグッとくるというか、抑え気味のラストにさすがだなと思う。
出出しのなんでもござれ的な飛ばしぶりからすると、終盤にかけてはしんみり。ようやくお葬式らしくなってきた感じで静かに幕引き。これがうまいのだった。誰が見てもそう思うだろう。
中盤までは、くすくす笑いの連続だ。あくまで大笑いはさせないところがうまい。ツッコミどころ満載な感じでコメディのように進んでいく。
特に、豪雨の中での車から車へのカツサンドリレーってのか、いや、単に窓から窓にカツサンド渡したのでリレーではないのだが、あのスピード感はすごい。もう天才としか言いようがない笑いのセンスだ。
雨の中猛スピードで車を飛ばして、いくらなんでもなぜにそこまで急ぐ?と不審に思いつつ、カーレースじゃあるまいにと、それだけでもハラハラドキドキの展開だったのだが、なんとカツサンドを渡すために隣車線スレスレで、競うあうようにして飛ばしてたのだ。一気に脱力!このセンスほんと凄すぎる。一度で二度面白いってのかな。実はそういうことだったのかとオチが最高だ。
もうこのシーンでわたしは伊丹映画、やっぱり好きだなって即座に判断。「家族ゲーム」でその面白さは十分に知っていたのだが改めて思った。
で、中盤のあっと驚くシーンは、何と言っても風光明媚で周りは木々に囲まれた自然の中での「まぐわい」だろう。ここまでやっていいんだなってびっくりした。愛人の女の子というか、いい年した(オーバー30は確実)女性との絡み…、いやこの際、ファ◯クと言ってしまおう。これが生々しい(笑)。
伊丹映画ってお色気が売りでもあると知ってはいたが、唐突に始まるので呆気にとられる。女の子の空気の読めなさ、いやわざと読めないふりをしているのだろうが、それにもあんぐり。通夜の前に酔っ払う傍若無人ぶりで、面倒な女性と関係を持っている「色男:山崎努」なのだ…。
結構本格的でまあまあな尺を取るので、なんだが緊張感がなくなってしまったなと、これは涙を流すような映画にはならないなと判断してやや冷めたのだが、映画全部を見終わってから考えると、このシーンは、性衝動なのだから、平たくいえば生きるということの典型的なシーン。それとお葬式の「死」というものを見事に対比させるためのシーンだったのかもしれないと、穿った見方もできる。
ま、それは私の主観でどこにそのような解説が書いてあったわけでもない。
でもあまりに唐突に始まり、あまりにお葬式と関係がないシーンであるので、よく考えてみるとそこに行き着いてしまうのだった。そうじゃないとこのシーン、無意味に近いものになってしまう。そしてそれを知ってか知らぬか(いや知ってる、確実に笑)、丸太で作られたブランコに喪服姿のまま乗ってギコギコ漕ぎ続ける宮本信子さんといい、まさかのリズムが同じになっているところといい、なかなかの性の力を全面に押し出した、シュールな演出だ。旦那の職業が俳優だし、自分も女優で芸能界のことはよく知ってるし、あのすらっとしたスタイルとかっこいいルックスだし、それに何よりもあの昭和という時代だし、愛人の一人や二人いてもビビらないであろうが、それでもなんともシュールだった。
映画のラストシーン、全て無事終わり、宮本信子さんがそっと旦那と腕を組み手を握るシーンは、和解の一瞬でもあろう。死ぬまで持続する和解ではないのだろうが。ま、何ヶ月か、いや何日かは夫婦円満になるだろう。嫁さんの父の葬式という、一大イベントがきたからとりあえずは夫婦で結束せざるを得なかっただけ。
それとお色気シーンついでにいえば、女性の脇毛だな…。なんともいえない昭和ならではのエロティックさだ。ま、普段は処理してても、せいぜい2日処理しなければ剃り残しが目立ってくるわけであって。その状態を宮本さんの脇のカットで見せるところはさすがだ。愛人女性の方は、もともと処理しない人らしい。ここらへん、昭和では普通にあったのかもしれないがわざわざ強調するあたり、やはり伊丹さんという天才監督はエロの巨匠でもあったのだろう(笑)。でも、エロ=生きている証拠。やっぱり死と対比して避けては通れない道なのかもしれぬ。
と、もっともらしくカッコつけて色々考えてみるのだが、単にサービスシーンとして見たらいいのかもしれない。あくまで映画なんて、娯楽だし。面白ければ成功なのだ。声高に何かを訴えるような辛気臭い映画は、よほどの才能ある監督が作ったものでない限り、私には2時間も集中力が持たないのだ。いや、90分、1時間、いやいやショートムービーでも私には無理。
あと、小笑いのシーンとして私が好きなのは、看護婦さん四人が並んで、「お役に立てませんで…すみませんでした!」と、病院から遺族を見送るシーンがあるのだが、右から2番目の看護婦さんが、腕の骨を折ったらしく包帯でつっていた。こういう細かいところも気になる笑いだ。普通、看護婦さんの格好で怪我してるってあんまり見かけないから。あくまで看護婦が出てきたら患者が包帯姿っていうのが99%だから。やはりシュールだ。何もかも。
これが伊丹さんの凄さでもあるが、とにかくこの映画、お葬式あるあるを詰め込んでいる。ものすごいリサーチしていることだけは確か。
お葬式のマニュアルビデオがあるのにも笑った。かなり手が込んでいるのがまた面白い。ドキュメント仕立てにしていて、しかも喪主がするべきこと言うべきところしっかり復習仕立てになっていてまた笑いを誘うのだった。
あと、季節は春ということもあり、1日目が大雨、2日目が嘘のように晴れて、3日目は曇りで強風っていう、この天候も春の嵐真っ只中というわけで、コロコロ変わるというのもまたメリハリなのだ。だから絶対飽きないのだ。風で、香典の一万円札が飛んでいくのもリアル。なんとか石で押さえてもつかって安心したのも束の間、とんでもない風がきて、ああついに、白の布がかけられた折りたたみ式の卓が倒れて、完全にやられてしまう。ハラハラドキドキさせるのがまあうまいのだ。さすがだ。
いやはやすごい映画ではあった。カメラワークとかもめちゃくちゃ斬新だし。棺の中から見たカット、逆に棺を覗き込むカットと、うまい。
かと思えば舞台劇を見せているかのように、望遠レンズじゃないけど、遠くからのカットで長回しで見せるところはバシッと決めまくる。通夜振る舞いかなんかで、おじさんたち(特に三羽烏笑)が酔っ払ってなかなか帰らない、でも帰らせたい女連中とのこの駆け引きね。なかなかの面白いあるあるシーンだ。それで人が少なくなったら、気に入らない親戚の愚痴シーンが始まる。これもよくあるわ。とにかく、生まれてこのかた葬式に参加したことがあるなら、この映画に出てきたことは一つは経験してるだろうなって思う。リアルだ。
あと、気づいたのは、お葬式の場所が、別荘が多い風光明媚な人里離れたところゆえ寂しさがある。それでもこの映画の雨宮家は有閑階級の人だから、お葬式にもいっぱい人が集まる。人里離れたところでやるにしても、ほぼ寂しさはなくなる。それが映画としては湿っぽくならず成功しているとも言える。
ほんと、これが庶民となるとね、もっとじめっとしてみるのも辛いからなあ。なんせこのタイトルだから。お葬式ってほんと、人間が唯一他人事にできないことだから。会社での出世争いとか、恋愛、不倫とか、親と子の相克だったらそれこそ他人事でいくらでも見れるもんだけど、そうじゃない。人間誰しも死ぬから。最悪、人生で身内の葬式に行く機会がなかったとしても、自分の葬式は誰かがやってくれるわけだから。もちろんこの映画のようなちゃんとした葬式じゃなくても、自分の死体は誰かが処理してくれる確率が非常に高い。
この映画のお葬式だって今じゃ典型的な昭和の葬式になるだろう。まして、葬儀場じゃなくて自宅でするんだから。
あと、伊丹映画に欠かせないのが食事のシーンだろう。最後にだすお弁当セットとか、通夜のお寿司とかも出てくるけど、この映画で一番のインパクトは、ホイップクリームをわざわざ泡だててそのまま食べてる山崎努さん(笑)。おいおい通夜の日にわざわざそこまでするの?って思うけど。ご丁寧にリッツが付け合わせである。あと、前述したパッケージに入ったカツサンドも美味しそうだったな。
ともあれ、伊丹映画のこのシュールさと、メリハリ。やはり面白い。飽きさせないのはすごい。ちょっと過激なシーンがあるため、青少年には積極的に勧められない映画ではある(笑)。
メリハリがあり、クスッと笑わせるのがうまい。そしてお客を感動させようというあざとさがない。それが逆にグッとくるというか、抑え気味のラストにさすがだなと思う。
出出しのなんでもござれ的な飛ばしぶりからすると、終盤にかけてはしんみり。ようやくお葬式らしくなってきた感じで静かに幕引き。これがうまいのだった。誰が見てもそう思うだろう。
中盤までは、くすくす笑いの連続だ。あくまで大笑いはさせないところがうまい。ツッコミどころ満載な感じでコメディのように進んでいく。
特に、豪雨の中での車から車へのカツサンドリレーってのか、いや、単に窓から窓にカツサンド渡したのでリレーではないのだが、あのスピード感はすごい。もう天才としか言いようがない笑いのセンスだ。
雨の中猛スピードで車を飛ばして、いくらなんでもなぜにそこまで急ぐ?と不審に思いつつ、カーレースじゃあるまいにと、それだけでもハラハラドキドキの展開だったのだが、なんとカツサンドを渡すために隣車線スレスレで、競うあうようにして飛ばしてたのだ。一気に脱力!このセンスほんと凄すぎる。一度で二度面白いってのかな。実はそういうことだったのかとオチが最高だ。
もうこのシーンでわたしは伊丹映画、やっぱり好きだなって即座に判断。「家族ゲーム」でその面白さは十分に知っていたのだが改めて思った。
で、中盤のあっと驚くシーンは、何と言っても風光明媚で周りは木々に囲まれた自然の中での「まぐわい」だろう。ここまでやっていいんだなってびっくりした。愛人の女の子というか、いい年した(オーバー30は確実)女性との絡み…、いやこの際、ファ◯クと言ってしまおう。これが生々しい(笑)。
伊丹映画ってお色気が売りでもあると知ってはいたが、唐突に始まるので呆気にとられる。女の子の空気の読めなさ、いやわざと読めないふりをしているのだろうが、それにもあんぐり。通夜の前に酔っ払う傍若無人ぶりで、面倒な女性と関係を持っている「色男:山崎努」なのだ…。
結構本格的でまあまあな尺を取るので、なんだが緊張感がなくなってしまったなと、これは涙を流すような映画にはならないなと判断してやや冷めたのだが、映画全部を見終わってから考えると、このシーンは、性衝動なのだから、平たくいえば生きるということの典型的なシーン。それとお葬式の「死」というものを見事に対比させるためのシーンだったのかもしれないと、穿った見方もできる。
ま、それは私の主観でどこにそのような解説が書いてあったわけでもない。
でもあまりに唐突に始まり、あまりにお葬式と関係がないシーンであるので、よく考えてみるとそこに行き着いてしまうのだった。そうじゃないとこのシーン、無意味に近いものになってしまう。そしてそれを知ってか知らぬか(いや知ってる、確実に笑)、丸太で作られたブランコに喪服姿のまま乗ってギコギコ漕ぎ続ける宮本信子さんといい、まさかのリズムが同じになっているところといい、なかなかの性の力を全面に押し出した、シュールな演出だ。旦那の職業が俳優だし、自分も女優で芸能界のことはよく知ってるし、あのすらっとしたスタイルとかっこいいルックスだし、それに何よりもあの昭和という時代だし、愛人の一人や二人いてもビビらないであろうが、それでもなんともシュールだった。
映画のラストシーン、全て無事終わり、宮本信子さんがそっと旦那と腕を組み手を握るシーンは、和解の一瞬でもあろう。死ぬまで持続する和解ではないのだろうが。ま、何ヶ月か、いや何日かは夫婦円満になるだろう。嫁さんの父の葬式という、一大イベントがきたからとりあえずは夫婦で結束せざるを得なかっただけ。
それとお色気シーンついでにいえば、女性の脇毛だな…。なんともいえない昭和ならではのエロティックさだ。ま、普段は処理してても、せいぜい2日処理しなければ剃り残しが目立ってくるわけであって。その状態を宮本さんの脇のカットで見せるところはさすがだ。愛人女性の方は、もともと処理しない人らしい。ここらへん、昭和では普通にあったのかもしれないがわざわざ強調するあたり、やはり伊丹さんという天才監督はエロの巨匠でもあったのだろう(笑)。でも、エロ=生きている証拠。やっぱり死と対比して避けては通れない道なのかもしれぬ。
と、もっともらしくカッコつけて色々考えてみるのだが、単にサービスシーンとして見たらいいのかもしれない。あくまで映画なんて、娯楽だし。面白ければ成功なのだ。声高に何かを訴えるような辛気臭い映画は、よほどの才能ある監督が作ったものでない限り、私には2時間も集中力が持たないのだ。いや、90分、1時間、いやいやショートムービーでも私には無理。
あと、小笑いのシーンとして私が好きなのは、看護婦さん四人が並んで、「お役に立てませんで…すみませんでした!」と、病院から遺族を見送るシーンがあるのだが、右から2番目の看護婦さんが、腕の骨を折ったらしく包帯でつっていた。こういう細かいところも気になる笑いだ。普通、看護婦さんの格好で怪我してるってあんまり見かけないから。あくまで看護婦が出てきたら患者が包帯姿っていうのが99%だから。やはりシュールだ。何もかも。
これが伊丹さんの凄さでもあるが、とにかくこの映画、お葬式あるあるを詰め込んでいる。ものすごいリサーチしていることだけは確か。
お葬式のマニュアルビデオがあるのにも笑った。かなり手が込んでいるのがまた面白い。ドキュメント仕立てにしていて、しかも喪主がするべきこと言うべきところしっかり復習仕立てになっていてまた笑いを誘うのだった。
あと、季節は春ということもあり、1日目が大雨、2日目が嘘のように晴れて、3日目は曇りで強風っていう、この天候も春の嵐真っ只中というわけで、コロコロ変わるというのもまたメリハリなのだ。だから絶対飽きないのだ。風で、香典の一万円札が飛んでいくのもリアル。なんとか石で押さえてもつかって安心したのも束の間、とんでもない風がきて、ああついに、白の布がかけられた折りたたみ式の卓が倒れて、完全にやられてしまう。ハラハラドキドキさせるのがまあうまいのだ。さすがだ。
いやはやすごい映画ではあった。カメラワークとかもめちゃくちゃ斬新だし。棺の中から見たカット、逆に棺を覗き込むカットと、うまい。
かと思えば舞台劇を見せているかのように、望遠レンズじゃないけど、遠くからのカットで長回しで見せるところはバシッと決めまくる。通夜振る舞いかなんかで、おじさんたち(特に三羽烏笑)が酔っ払ってなかなか帰らない、でも帰らせたい女連中とのこの駆け引きね。なかなかの面白いあるあるシーンだ。それで人が少なくなったら、気に入らない親戚の愚痴シーンが始まる。これもよくあるわ。とにかく、生まれてこのかた葬式に参加したことがあるなら、この映画に出てきたことは一つは経験してるだろうなって思う。リアルだ。
あと、気づいたのは、お葬式の場所が、別荘が多い風光明媚な人里離れたところゆえ寂しさがある。それでもこの映画の雨宮家は有閑階級の人だから、お葬式にもいっぱい人が集まる。人里離れたところでやるにしても、ほぼ寂しさはなくなる。それが映画としては湿っぽくならず成功しているとも言える。
ほんと、これが庶民となるとね、もっとじめっとしてみるのも辛いからなあ。なんせこのタイトルだから。お葬式ってほんと、人間が唯一他人事にできないことだから。会社での出世争いとか、恋愛、不倫とか、親と子の相克だったらそれこそ他人事でいくらでも見れるもんだけど、そうじゃない。人間誰しも死ぬから。最悪、人生で身内の葬式に行く機会がなかったとしても、自分の葬式は誰かがやってくれるわけだから。もちろんこの映画のようなちゃんとした葬式じゃなくても、自分の死体は誰かが処理してくれる確率が非常に高い。
この映画のお葬式だって今じゃ典型的な昭和の葬式になるだろう。まして、葬儀場じゃなくて自宅でするんだから。
あと、伊丹映画に欠かせないのが食事のシーンだろう。最後にだすお弁当セットとか、通夜のお寿司とかも出てくるけど、この映画で一番のインパクトは、ホイップクリームをわざわざ泡だててそのまま食べてる山崎努さん(笑)。おいおい通夜の日にわざわざそこまでするの?って思うけど。ご丁寧にリッツが付け合わせである。あと、前述したパッケージに入ったカツサンドも美味しそうだったな。
ともあれ、伊丹映画のこのシュールさと、メリハリ。やはり面白い。飽きさせないのはすごい。ちょっと過激なシーンがあるため、青少年には積極的に勧められない映画ではある(笑)。
2015年7月16日に日本でレビュー済み
特に何があるというわけではない映画です。
普通の葬式はどういう風にしているのか
挨拶はどのようにするのかを知るにはいいです。
普通の葬式はどういう風にしているのか
挨拶はどのようにするのかを知るにはいいです。