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俳優兼映画監督の向井(三國連太郎)は、自分が癌に侵されていることを知らされないまま手術して退院するも、仕事中に倒れて再入院。自分の病気にうすうす気づき始めた彼は、次第に自暴自棄になっていき、彼との離婚を決意している妻・万里子(宮本信子)や医師の緒方(津川雅彦)を困惑させていくが……。
伊丹十三監督が軽妙洒脱なエンタテインメントの形を借りて、死というテーマに真っ向から挑戦した意欲作。これには前作『ミンボーの女』が基で刺傷事件に遭い、一時は生死を彷徨って、入院生活を余儀なくされた彼の想いが反映されていると見て思しい。「人はいかに死を受け入れ、死んでいくべきか」これは彼の命題として、その後も色濃く反映されていったと捉えるのは、監督亡き今だから言える事象か。伊丹映画としては珍しくウンチクやハウ・トゥ的要素が少ないのも異色ではある。主人公の臨死シーンでは当時最先端のデジタル合成を駆使し、幻惑的な情緒も醸し出している。(増當竜也)
レビュー
[1]監督・脚本: 伊丹十三 出演: 三國連太郎/宮本信子/津川雅彦/木内みどり/高瀬春奈/熊谷真実[2]構成・演出: 浦谷年良 出演: 伊丹十三/三國連太郎/宮本信子/津川雅彦/木内みどり/高瀬春奈/熊谷真実
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)