間違って、メイキングを買ってしまいました。本編はレンタルで観ております。
メイキングでの出演者のインタビュー、関係者の証言からわかるように、この映画にかける「佐々部清監督」の情熱は、半端ではないです。ご当地映画だから、地元の人たちもこれほど協力したのでしょう。「ALWAYS・・・」のように、「見え見えの感動作」にしなかったことも評価すべきでしょう。
でも、最後まで「結局、何を一番言いたかった」かよくわかりませんでした。
最初は主人公の橋本香織(伊藤歩)の成長談かと思ったのですが。「事実をありのままに報道するより大切なことがある」という意味かなと。
過去の描写があまりに見事なので(これは映画館の切符売りの宮部絹代(藤村志保)の演技のすばらしさに負うところが大きい)、昭和という時代を描きたかったのか、とも思いました。ちなみに私は「昭和30年代の方が現在よりよかった」と単純には思っていません。
どうも二組の父と娘の断絶、心の交流の復活を描きたかったようですね。橋本親子の方は様になっているのですが、安川家の方はちょっと無理がありました。みなと劇場の最終日に、娘は父親の直ぐそばまで来ているのですから、ここで再開を果たす方が自然だったと思いますが。
橋本香織のやり方はほとんど「親切の押し売り」です。 まあ、こういうストーリー展開だからしかたないでしょうが。
「良心的な作品が必ずしも名作にあらず」というよい見本です。