本作の印象的決定打は「Stuff」で先ず異論はないだろう・・・か?
本当かな?よーく聴いて、よーく考えて頂きたい。ターニングポイントとなった決定打が「Stuff」で良いんだろうか?「Miles In The Sky」が歴史的作品と成ったのは、作品全体としては勿論良いのだが、「この1曲!」を検証すれば私は「Country Son」を決定打として推したい。
この曲が公式に出版されているテイクは、「Country Son (rehearsal take) [7:46]」「Country Son (take1)[13:53] 」「Country Son (take3) [14:39]」の3テイクだ。不思議なのは (take1)[13:53] がオリヂナルテイクと成っている点だ。
3つのテイクの事/ '68.5.15 Columbia Studio B, New York NY
1)「Country Son (rehearsal take) [7:46]」(”Freedom Jazz Dance: the Bootle-vol,5" 所収)
Rhythm section only/Herbie Hancock(pf); Ron Carter(b); Tony Williams(ds)
2)「Country Son (take1)[13:53] 」(オリヂナル所収)
3)「Country Son (take3) [14:39]」(”Miles In The Sky+2” 所収)
マイルス作曲の "Country Son" 、楽想はとても静かで穏やかなものだ。其れをストレートに表しているのが Rhythm section only の1)だ。
3)は 1)にマイルスをオーバーダブしたかの演奏で、ベースに絡むペットのイントロから始まる。 1)同様マイルスの吹奏も抑制の利いたものだ。ショーターも然り。
問題にしたいのは、1)3)がアルバム全体のイメージに合わないとして、曲そのものが差し替えられたのでは無い事だ。
テイク2 の内容は存在不明だが、不思議なのは曲そのものが違う程のテイク1をリハーサリ後唐突に行い、且つテイク3で rehearsal テイクの楽曲に戻ったのは何故かである。楽想を変えたオリヂナルテイクは余程気に入ったようだ。多分ワンテイクだろう、いやテイク2がオリヂナル曲のテイク2と想像するのが自然に思える。完成度が高過ぎてマイルスの方程式の合わない。
*投稿後入手の資料(読者の検証・判断に委ねます)
『According to the track sheet for this session, the original title for "Country Son" was "Seeing Thru." The notes to the Quintet box (Mosaic MQ10-177, Columbia C6K 67398) explain that "Rehearsed in sections, the released version [of "Country Son"] is the first complete take (the engineer missed the opening bars of take 2, the released version), but a drum pickup was found and added to the master." The alternate version of "Country Son" released in the Quintet box is take 3. The alternate rhythm-only version released in the Freedom Jazz Dance box is an excerpt of a rehearsal take.』
と、なんだかんだシロウト探偵気取りで思いめぐらしたが、スタヂオ・レコーディングは通常は「最終テイク」がオリヂナルテイクとしてリリースされる。此処に「謎」があると思うのですが諸兄の観察は如何であろう?あらためて上記3テイクの鑑賞をお勧めすします。私が推す「Country Son (take1)」の特異性に注目して頂けたら幸いであります。
こうした即座的即興的「作曲スタイル/制作スタイル」がマイルス・ミュージックの今後を方向付けたと私は妄想逞しく推測するのですが・・・。持論を強弁しない為にも、諸兄の「検証」を望むものであります。
マイルス・イン・ザ・スカイ + 2
仕様 | 価格 | 新品 | 中古品 |
CD, CD, インポート, 1998/11/14
"もう一度試してください。" | CD, オリジナルレコーディングのリマスター | ¥673 | ¥757 |
CD, 追加トラック, オリジナルレコーディングの再発売, 2008/2/1
"もう一度試してください。" | 通常盤 | ¥1,062 | ¥361 |
CD, CD, インポート, 2017/12/1
"もう一度試してください。" | CD, インポート |
—
| ¥5,600 | — |
CD, インポート, 1993/6/15
"もう一度試してください。" | インポート |
—
| — | ¥307 |
CD, 1998/10/23
"もう一度試してください。" | 1枚組 |
—
| — | ¥749 |
CD, CD, 2005/9/21
"もう一度試してください。" | CD |
—
| — | ¥880 |
CD, 2000/6/21
"もう一度試してください。" | 1枚組 |
—
| — | ¥1,170 |
この商品を見た後にお客様が購入した商品
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曲目リスト
1 | スタッフ |
2 | パラフェルナリア |
3 | ブラック・コメディ |
4 | カントリー・サン |
5 | ブラック・コメディ(別テイク) |
6 | カントリー・サン(別テイク) |
商品の説明
内容紹介
Limited edition Japanese pressing of the 1968 album includes 2 bonus tracks TBA and comes packaged in a digipak. Sony. 2005.
メディア掲載レビューほか
黄金クインテットが複雑なリズムやエレクトリック・サウンド、ロックの要素などを取り入れ始めたアルバム。デビュー間もないジョージ・ベンソンが(2)で参加するなど、70年代フュージョンへの先駆けとなった作品。
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 製品サイズ : 14.4 x 12.19 x 0.99 cm; 100 g
- メーカー : ソニーミュージックエンタテインメント
- EAN : 4547366021158
- 時間 : 1 時間 12 分
- レーベル : ソニーミュージックエンタテインメント
- ASIN : B000A3H6XG
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 165,609位ミュージック (ミュージックの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
イメージ付きのレビュー
5 星
ビッチェスブリューに繋がる重要な作品。
メンバーがウエインショーター、ハービー・ハンコック、ロンカーター、トニーウイリアムスなのは面白い。ビッチェスブリューではガラッとメンバーを代えている。しかし音楽自体は繋がっている。歴史的一作。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年8月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2021年10月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
メンバーがウエインショーター、ハービー・ハンコック、ロンカーター、トニーウイリアムスなのは面白い。ビッチェスブリューではガラッとメンバーを代えている。しかし音楽自体は繋がっている。歴史的一作。
メンバーがウエインショーター、ハービー・ハンコック、ロンカーター、トニーウイリアムスなのは面白い。ビッチェスブリューではガラッとメンバーを代えている。しかし音楽自体は繋がっている。歴史的一作。
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2021年8月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
彼の最初のジャズ・フュージョンとして1968年にレコーディングしている。エレクトリックピアノ&エレクトリックギターを使い、なかなか面白いジャズに仕上がっている。私はあまり好みではないが、彼のクインテットで演奏しているジャズフュージョンを一枚欲しかったので購入した。good(^^♪
2018年12月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
Miles Davisが1968年にリリースしたアルバム。オリジナルアルバムでエレクトリック・ピアノとエレクトリック・ギターを初めて使用した重要な作品です。レビュー内容が他の方と被ってしまいますが作品中秀逸なのはオープニングを飾る楽曲『Stuff』でフェンダー・ローズを奏でるHerbie Hancock、エレクトリック・ベースを奏でるRon Carter、二曲目『Paraphernalia』でエレクトリック・ギターを奏でるGeorge Bensonだと思います。そして今回Mobile Fidelity Sound Lab社のSACD盤を購入しましたが音質が抜群に良いと思います。空気感違いますね。それからリリース当初こそ評価は低かったものの何故この様な重要作がつい最近までSACD化されなかったのか不思議でしょうがないです。(2017年12月1日発売:MFSL社『
Miles In The Sky
』)
2020年9月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昔々、初期のマイルスは、聞いておりました。ビ バップなんて呼ばれたJAZZでした。何十年かぶりに、マイルスを聞きたくて本CDを購入、さすが,天下のマイルスですね。電化マイルスですね! これから時間をかけて、じっくり楽しみたいと思ってます。
2018年10月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
不思議な魅力を持った曲。時々聞きたくなる。トニーのロックビートに乗ったドラムが最高。昔、LPを持っていたが、当時それほど良いとは思わなかった。今聞いてみてなかなかいい。
2017年3月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
紙ジャケで音質もGOOD!!ソニーのデジパックが嫌いなので良かったです。
2014年6月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この人は何を見つけたのでしょうか?この時期のマイルスは何かを探しているようにも思えます。ボクが判らないだけかなぁ??
他の国からのトップレビュー
Katum68
5つ星のうち5.0
It’s Miles
2024年1月11日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
Reissued CD with extra tunes.
Edgar B.
5つ星のうち5.0
Genial
2021年5月2日にメキシコでレビュー済みAmazonで購入
Me llegó una edición de 1998, parece que la empacaron ayer. Desde hace varios años no compraba CDs. Esa emoción de abrirlo implica una relación especial con el artista, misma que no encuentro en las plataformas de streaming.
Daniel
5つ星のうち5.0
Capolavoro incompreso
2023年9月16日にイタリアでレビュー済みAmazonで購入
Sicuramente uno dei lavori più sottovalutati del genio trombettista, ottima qualità di registrazione, remaster molto buono, da avere assolutamente!
...and after all it´s such a mess
5つ星のうち5.0
Davis Richtungswechsel von Post Bop zu Fusion wird deutlich
2020年11月21日にドイツでレビュー済みAmazonで購入
Miles In The Sky ist IMHO das erste Album das schaffenden M. Davis, das erkennbar werden lässt, dass der neue Wind in seinen kommenden Alben aus einer anderen Richtung wehen würde.
Um es aber als reines Übergangswerk heranzuziehen, ist das Album und vielleicht der Titel aber doch zu bedeutsam. Gefällt mir persönlich besser als z.B. Nefertiti, das ich noch dem "alten" Davis überlassen würde.
Was danach kam, ist das, was ich großartig am New "Styles" Davis, Miles finde.
Er wurde irgendwie immer "besser", als er anfing sich einem Rock-Publikum zu präsentieren.
Als er Mitte des Jahrzehnts am Höhepunkt angekommen ist, bricht er allerdings alles ab und zog sich, wie die meisten dann auch wissen, für einige Jahre zurück.
Musikalisch vollkommen verausgabt hatte er sich bis dahin auch. Davis, der King of Fusion und der Master of Inventions.
Im Rahmen der Jazz-Musik tendierte er immer mehr zum "Eigenbrödeler", hatte aber auch wirklich die fettesten Funk-Kuchen mit im Angebot.
That's It! What's A Story Without Sound?!
Um es aber als reines Übergangswerk heranzuziehen, ist das Album und vielleicht der Titel aber doch zu bedeutsam. Gefällt mir persönlich besser als z.B. Nefertiti, das ich noch dem "alten" Davis überlassen würde.
Was danach kam, ist das, was ich großartig am New "Styles" Davis, Miles finde.
Er wurde irgendwie immer "besser", als er anfing sich einem Rock-Publikum zu präsentieren.
Als er Mitte des Jahrzehnts am Höhepunkt angekommen ist, bricht er allerdings alles ab und zog sich, wie die meisten dann auch wissen, für einige Jahre zurück.
Musikalisch vollkommen verausgabt hatte er sich bis dahin auch. Davis, der King of Fusion und der Master of Inventions.
Im Rahmen der Jazz-Musik tendierte er immer mehr zum "Eigenbrödeler", hatte aber auch wirklich die fettesten Funk-Kuchen mit im Angebot.
That's It! What's A Story Without Sound?!
Amazon Customer
5つ星のうち5.0
Essential
2018年8月16日にカナダでレビュー済みAmazonで購入
There is something new every time it's played.