2001年7月、ミュンヘン「バイエルン国立歌劇場(Bavarian State Opera)」にてライブ録音
ECM 1900, Producer:Manfred Eicher
キース・ジャレットのスタンダーズ・トリオ。いつものようにライブ録音(彼らのライブはつねに
録音され、それらの中から順次リリースが決まっていく)。場所はミュンヘンの格式高い国立歌劇場。
ステージ上の3人に緊張はなく、いつもよりもリラックスした余裕さえある。
その結果、M3「I love you(コール・ポーター)」後半のジャック・ディジョネットの静かに
押し寄せるような創意あふれるドラム・ソロも生まれた。これは通常の叩きまくる派手なドラム・
ソロではなく、細かく刻むシンバルでリズムキープし続ける繊細なもの。だからキースも入りの
タイミングをつかめず2回も入り直している。キースがテーマを弾いてスパッと終わるエンディングは、
いなせで江戸前の着流し風情。
彼らの”くつろぎ・リラックス”はどこから来たのか。ECMの本拠地ミュンヘンで行われたライブ
だからか。一度彼らはこの土地(会場はフィルハーモニック・ホール)で『Still Live』という傑作を
ものにしていることからくる余裕なのか。
アルバム中、唯一のキースのオリジナル曲(アルバム・タイトル曲)「The Out-Of-Towners」
では、ハードバップ期のピアニストのような弾きっぷり(ライナーノートには”ウィントン・ケリー
のような”とある)。後半は、興が乗った時に現れるオスティナートで、最後はディジョネットが
日本のお囃子のようなパーカッションを入れてキースを伴奏する。何か特別な親密感と祝祭感、
幸福な気配が会場を満たし、拍手に熱がこもる。
M5はジェリー・マリガンの初期曲だが、ここでのトリオは、オスカー・ピーターソン・トリオの
ように聴こえるような時もある。キースはこれまでそういう風にならないように、3人の即興性を
研ぎ澄ませてきた。しかしここでは、そういうことがもう問題になっていない。
ラストはアンコール・ナンバーでキースのソロピアノ。すべてがやわらかな郷愁、なつかしさに
収斂していく。6分47秒があっという間に過ぎる。そういうことを踏まえて、ライナーノートでは
このアルバムを「『マイ・ソング』の横に置く」という言い方をしている。
このステージを録音した当初は、キースとアイヒャーは、演奏全体が持つポピュラリティみたいな
ものを軽く感じたのかもしれない。しかし日に日にその魅力が大きくなり、録音日からすれば
『Up for It』よりも前ではあるが、この演奏をリリース音源にしようと決めたのか。
ジャケットは、サッチャ・クライス得意のモノクロ写真のトリミング。内容に即してというよりは、
やや突き放した、地味な表現になっている。
ジ・アウト・オブ・タウナーズ
仕様 | 価格 | 新品 | 中古品 |
CD, 限定版, 2024/6/26
"もう一度試してください。" | UHQCD | ¥1,980 | — |
CD, CD, インポート, 2004/8/30
"もう一度試してください。" | 通常盤 | ¥2,434 | ¥800 |
CD, 限定版, 2013/5/1
"もう一度試してください。" | 限定版 |
—
| ¥4,950 | ¥1,500 |
CD, 2004/8/25
"もう一度試してください。" | 1枚組 |
—
| — | ¥980 |
CD, 限定版, オリジナルレコーディングのリマスター, 2008/11/5
"もう一度試してください。" | オリジナルレコーディングのリマスター, 限定版 |
—
| — | ¥2,950 |
CD, 限定版, 2005/9/14
"もう一度試してください。" | 限定版 |
—
| — | ¥15,600 |
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曲目リスト
1 | イントロ|アイ・キャント・ビリーヴ・ザット・ユーアー・イン・ラヴ・ウィズ・ミー |
2 | ユーヴ・チェンジド |
3 | アイ・ラヴ・ユー |
4 | ジ・アウト・オブ・タウナーズ |
5 | ファイヴ・ブラザーズ |
6 | イッツ・オール・イン・ザ・ゲーム |
商品の説明
内容紹介
Japanese Limited Edition Issue of the Album Classic in a Deluxe, Miniaturized LP Sleeve Replica of the Original Vinyl Album Artwork.
Product Description
Japanese Limited Edition Issue of the Album Classic in a Deluxe, Miniaturized LP Sleeve Replica of the Original Vinyl Album Artwork.
メディア掲載レビューほか
ジャズ・ピアニスト、キース・ジャレットによる2001年ライヴ録音盤。 (C)RS
登録情報
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 製品サイズ : 12.7 x 14.61 x 1.14 cm; 90.72 g
- メーカー : ユニバーサル ミュージック クラシック
- EAN : 4988005405913
- 時間 : 1 時間 8 分
- レーベル : ユニバーサル ミュージック クラシック
- ASIN : B000AMKS5A
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 699,787位ミュージック (ミュージックの売れ筋ランキングを見る)
- - 1,693位フリージャズ
- - 1,995位トラディショナルジャズ
- - 9,716位ビバップ
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年7月11日に日本でレビュー済み
2020年10月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
存命しているジャズピアニストで一番はキースジャレットです。
2018年12月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
このCD且つて購入したことがあるのですが、内容が気に入り、PianoTrioの好きな友人に差し上げて喜ばれた経験があるのですが、またどうしても手元で聴いてみたくなり購入いたしました。最後の曲、アンコールでしょうかソロなのですが何とも言えない静寂の中に澄んだ響きがあり終わった瞬間、会場の聴衆と共に拍手したい自分がおります。勿論それまでの三位一体のTRIO演奏も素晴らしくKeithのこのTRIO作品のベスト3に入る作品と思われます。
2010年8月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ミュンヘン「ナショナルシアター」で行われたライブを収録した、キースの魅力満載の一枚です。どの曲も、何度も繰り返し楽しめるアルバムですが、特に、4曲目のThe Out-of-Townersでは、19分を超えるトリオのフリー・インプロビゼーションが楽しめます。6曲目のキースのピアノ・ソロ、It's all in the gameは、皆さん仰っているように、とても優しい気持ちに満たされます。3曲目のI love youの、ジャック・ディジョネットのドラムもカッコイイです。
2019年1月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2001年ミュンヘン、ステイト・オペラにおけるライブ録音
クラシックを中心に聴いているので、キースジャレット・トリオが特に好きとうわけではありませんが、迫力のあるピアノトリオ、特に生の音が綺麗に収録されているものを集めています。
キースジャレット・トリオのCDも自然にたまってきて手元にはInside out、Somewhere、Standard Vol.1、Still live、up for it、my songなどがありますが、これらの中ではこのThe out-of-townersが録音状態やライブの雰囲気、モダンなアレンジなど多くの点で一番かなと思います。
出だしのピアノソロはいい雰囲気ですが、3曲目までは優等生的なアレンジなので、耳あたりもよく、音も綺麗ですが極普通のスタンダードです。アルバムタイトルにもなっている4曲目のThe out-of-townersからようやく熱気が感じられるようになってきます。
前衛的なアレンジを抑えた無難なスタンダードが多いので、物足りなさは否めません。ジャズなんだからもっと冒険もしてほしいですよね。前衛的で現代的な音も混ぜてもらいたい。
クラシックを中心に聴いているので、キースジャレット・トリオが特に好きとうわけではありませんが、迫力のあるピアノトリオ、特に生の音が綺麗に収録されているものを集めています。
キースジャレット・トリオのCDも自然にたまってきて手元にはInside out、Somewhere、Standard Vol.1、Still live、up for it、my songなどがありますが、これらの中ではこのThe out-of-townersが録音状態やライブの雰囲気、モダンなアレンジなど多くの点で一番かなと思います。
出だしのピアノソロはいい雰囲気ですが、3曲目までは優等生的なアレンジなので、耳あたりもよく、音も綺麗ですが極普通のスタンダードです。アルバムタイトルにもなっている4曲目のThe out-of-townersからようやく熱気が感じられるようになってきます。
前衛的なアレンジを抑えた無難なスタンダードが多いので、物足りなさは否めません。ジャズなんだからもっと冒険もしてほしいですよね。前衛的で現代的な音も混ぜてもらいたい。
2004年9月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「かっこいーい! おや浮かぬ顔だね」
「なんだかね」
「なにかご不満かい?」
「演奏は素晴らしい。それは認めるけど」
「キースはロマンティシズム全開だし、デジョネットのドラムもまるでピアノみたいに繊細でパワフル。ピーコックだってしっかり要(かなめ)役を務めているよ」
「現代ジャズでは群を抜いたピアノトリオだということに異論はないんだけど」
「いいじゃない。スタンダーズ完全復活だ」
「でもなあ。スタンダーズっていったい何年やってんだい」
「20何年だったかな」
「まるでオスカー・ピーターソンのTrioみたいじゃないか」
「ぜんぜん音楽の種類が違うよ」
「一種の芸になっていないかってこと」
「このトリオは、キースのインプロビゼーションの実験室だよ。マンネリなんてとんでもない」
「それを百も承知で、音楽全体として予定調和に堕していないかっていってるんだよ。いつか聴いたキース、いつも聴いてるキース。そんな感じがしてしようがない」
「でも、かっこいいよ。最後のソロなんか、落涙ものだ。最近聴いたどんなアルバムより聴き応えがある」
「でもなんだかなぁ」
一ファンのわがままだろうか。ソロピアノもスタンダーズもいったん御破算にして、まったく新しい世界と苦闘するキースを期待するのは。
「なんだかね」
「なにかご不満かい?」
「演奏は素晴らしい。それは認めるけど」
「キースはロマンティシズム全開だし、デジョネットのドラムもまるでピアノみたいに繊細でパワフル。ピーコックだってしっかり要(かなめ)役を務めているよ」
「現代ジャズでは群を抜いたピアノトリオだということに異論はないんだけど」
「いいじゃない。スタンダーズ完全復活だ」
「でもなあ。スタンダーズっていったい何年やってんだい」
「20何年だったかな」
「まるでオスカー・ピーターソンのTrioみたいじゃないか」
「ぜんぜん音楽の種類が違うよ」
「一種の芸になっていないかってこと」
「このトリオは、キースのインプロビゼーションの実験室だよ。マンネリなんてとんでもない」
「それを百も承知で、音楽全体として予定調和に堕していないかっていってるんだよ。いつか聴いたキース、いつも聴いてるキース。そんな感じがしてしようがない」
「でも、かっこいいよ。最後のソロなんか、落涙ものだ。最近聴いたどんなアルバムより聴き応えがある」
「でもなんだかなぁ」
一ファンのわがままだろうか。ソロピアノもスタンダーズもいったん御破算にして、まったく新しい世界と苦闘するキースを期待するのは。
2012年11月11日に日本でレビュー済み
1曲目からして、である。このアルバムは即買いです。
1曲目の I Can't Believe That You're In Love With Me
この選曲!そして、この流麗な即興。
左手のコンプをあまり入れないキースが、
三連の裏で小気味よくリズムを取りながら
奏でるメロディの溌剌さと奔放さ、そして切なさ・・・・
ピアノトリオはあまた、ありますが、
ブラツト・メルドーも敵わない、酸いも甘いも知り尽くした語り手の貫禄があります。
特に明るい基調の曲の中に現れる、切なさは、群を抜いています。
明るいけど哀しい。
身も心もとろけてしまう演奏には、なかなか出会えないものです。
くどいようですが、割と平凡なボーカル曲を
ここまで、質の高い演奏までに高めてしまう、キースの力量は、
現存するパフォーマーの中には、そうはいないと思います。
この曲がIPODから流れると、
思わずにっこりして、体が揺れて、そしてしんみりと、してしまいます。
明るくて切なくて、さりげなくて・・・・
やはりキースは分かっていらっしゃる!
1曲目の I Can't Believe That You're In Love With Me
この選曲!そして、この流麗な即興。
左手のコンプをあまり入れないキースが、
三連の裏で小気味よくリズムを取りながら
奏でるメロディの溌剌さと奔放さ、そして切なさ・・・・
ピアノトリオはあまた、ありますが、
ブラツト・メルドーも敵わない、酸いも甘いも知り尽くした語り手の貫禄があります。
特に明るい基調の曲の中に現れる、切なさは、群を抜いています。
明るいけど哀しい。
身も心もとろけてしまう演奏には、なかなか出会えないものです。
くどいようですが、割と平凡なボーカル曲を
ここまで、質の高い演奏までに高めてしまう、キースの力量は、
現存するパフォーマーの中には、そうはいないと思います。
この曲がIPODから流れると、
思わずにっこりして、体が揺れて、そしてしんみりと、してしまいます。
明るくて切なくて、さりげなくて・・・・
やはりキースは分かっていらっしゃる!
2018年12月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
トリオ限定で購入していますが特に悪くもなかった。期待以上でもなかった。
他の国からのトップレビュー
Mr. J. J. Peters
5つ星のうち4.0
Ignore the cover
2023年5月12日に英国でレビュー済みAmazonで購入
ECM are known for their dour covers, but as they say never judge a book by its cover. The cover does no justice to a fine set.
robert bissonnet
5つ星のうち5.0
BoBiz
2018年10月11日にカナダでレビュー済みAmazonで購入
CD reçu très rapidement et en parfaite condition.
Joseph P. Reel
5つ星のうち5.0
Excellent!
2005年8月12日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
While much of the same can be said about this timeless trio's previous outings, the set is not only perfectly balanced in the choice of material but Jarrett's sometimes overly-audible vocalizing is absent as well. Although, those who complain the loudest about Keith's tendencies in that direction remind me of those tightly wired types who drive their spouses or partners crazy by screaming hysterically in the middle of the night, "I hear a faucet dripping!" They seem to intentionally listen for the slightest suggestion of Jarrett's vocal exuberance. Perhaps the sound of cactus growing in the middle of the Mojave Desert would drive them to distraction.
For me, it's all about the music and I enjoy listening for the Bud Powell flavored phrasing I hear on some of the tunes rather than wasting time obsessing over minor vocalisms. The selections range from songs penned by Cole Porter and Jimmy McHugh to Gerry Mulligan and one Jarrett original. The concert closes with the Tommy Edwards `50s pop hit "It's All In The Game." Trivia: the lyrics, "Many a tear has to fall...," were written by Charles Dawes, U.S. Vice-President under President Calvin Coolidge (1925-29). While Keith performs the ballad without excessive sentimentality, it still may strike some deep chords of remembered romances in some listeners.
Jarrett leaves ample room for Peacock and DeJohnette to shine, and the group plays energetically and elegantly throughout without ever degenerating into stereotypic "smooth jazz." This is one of those rare performances that is strong enough to warrant your complete attention in the foreground or can be equally enjoyable at low volume in the background. Highly recommended.
For me, it's all about the music and I enjoy listening for the Bud Powell flavored phrasing I hear on some of the tunes rather than wasting time obsessing over minor vocalisms. The selections range from songs penned by Cole Porter and Jimmy McHugh to Gerry Mulligan and one Jarrett original. The concert closes with the Tommy Edwards `50s pop hit "It's All In The Game." Trivia: the lyrics, "Many a tear has to fall...," were written by Charles Dawes, U.S. Vice-President under President Calvin Coolidge (1925-29). While Keith performs the ballad without excessive sentimentality, it still may strike some deep chords of remembered romances in some listeners.
Jarrett leaves ample room for Peacock and DeJohnette to shine, and the group plays energetically and elegantly throughout without ever degenerating into stereotypic "smooth jazz." This is one of those rare performances that is strong enough to warrant your complete attention in the foreground or can be equally enjoyable at low volume in the background. Highly recommended.
Manny
5つ星のうち4.0
Etwas für den besonderen Musikgenießer!
2019年2月6日にドイツでレビュー済みAmazonで購入
Etwas für den besonderen Musikgenießer!
Ian Muldoon
5つ星のうち4.0
Good Jarrett marred by 20 minutes of doodlin'
2005年6月8日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
Good Jarrett still means it's is miles ahead of most piano trios but the program is bedevilled by the long title track with its boring repetitive/live crowd pleasing/ caravan like doodlin'. On the other hand, I LOVE YOU is as good a piece of piano trio improvisation one is likely to hear on this planet with a masterful drum solo (mainly using the cymbals) included by Mr De Johnette. Worth owning.