前々作「ダウンタウン」
前作「メリージーン&9アザーズ」から続く
彼の充実期を締めくくる傑作5THです。
今作は
リチャード・トンプソンの「ヴァレリー」や
ジョン・ハイアットの「サムプレイス・ウェア...」
ダイアン・ウォーレンによる「サムハーツ」といった
カバー曲が特に出色の出来だと思います。
反面オリジナルが若干弱い気もしますが、
とにかく、クレンショウの生き生きとした演奏や声に現れた力強さの前では、取るに足らぬ事のように思えます。
グラハム・パーカー「リアル・マッコー」でも、素晴らしい仕事をしたデビッド・カーシェンバウムの手腕がここでも発揮されています。
余分な装飾を排除することで、楽器の響きや声の揺れが持つ本質的な輝きや艶を浮かび上がらせる音作りは、本作にタイムレスな命を吹き込んだように思います。