1本のギターの独奏だけで紡ぐメロディのこの豊かさは何だろう?
タッピング、スラッピング、パームハーモニックスなどの特殊奏法を駆使した曲もあるけど控え目で、あくまでメロディに拘る姿勢がカッコいい。
海外がマイケル・ヘッジスなら日本でこのジャンルを開拓したパイオニアはまさしく中川イサトさん。メロディはこよなく優しいが、1つ1つの音は「痛い」。それほどピュアだということ。世間でどんな音楽が流行ろうと関係ない。この音こそが俺なのだという確固とした意思は清々しくさえある。
またタイトルがユニークなのもイサトさんのギターミュージックのお楽しみのひとつ。このアルバムも「黄金千貫」「あがりこ大王」「藻雑魚」などイメージが湧くのがズラリ。
押尾コータローの師匠としても有名だけど、決してブームで終わらせたくないこのジャンルの大御所として益々活躍していただきたい。
傑作です。