ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーDVD-BOX 2 (ケレル/13回の新月のある年に/ベロニカ・フォスのあこがれ)
フォーマット | ドルビー |
コントリビュータ | ブラッド・デイヴィス, イングリット・カーフェン, ローゼル・ツェヒ, ジャンヌ・モロー, フランコ・ネロ, フォルカー・シュペングラー, ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー |
言語 | ドイツ語 |
稼働時間 | 5 時間 22 分 |
この商品を見た後にお客様が購入した商品
商品の説明
商品紹介
今日の映画に最も多くの影響を与えた鬼才、ファスビンダーの業績を伝えるDVDコレクション 第2弾。
『13回の新月のある年に』『ベロニカ・フォスのあこがれ』『ケレル』の3作品収録。
<収録内容>
●『13回の新月のある年に』
初DVD化/デジタルニューマスター。特典として、解説リーフレット封入。
【ストーリー】
不動産業者アントンへの愛情から、男から女へと性転換したエルヴァイラ。仲のいい娼婦「赤いツォーラ」と一緒に、大都会フランクフルトをさまようエルヴィラは、自分の惨めな過去を語り始める……。
一年に13回新月が昇る年には、感情の起伏の激しい人間はその人格を破滅に追いやるという俗説を元に、性転換者の悲しい末路を描くR・W・ファスビンダーの野心作。精肉工場の工程をつぶさに見せるショッキングな映像や、ロキシー・ミュージックの名曲「ヨーロッパ哀歌」の使用など、ファスビンダーらしさが存分に現れた日本未公開の傑作。
【スタッフ】
監督・脚本・撮影・編集:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
協力:イソルデ・バルト
ヴァルテル・ボックマイエル
ミラン・モル
ジョー・ブラウン
楽曲:ロキシー・ミュージック
スイサイド
【キャスト】
エルヴィン/エルヴィラ・ヴァイスハウプト……フォルカー・シュペングラー
「赤いツォーラ」……イングリッド・カーフェン
アントン・ザイツ……ゴットフリート・ヨーン
●『ベロニカ・フォスのあこがれ』
初DVD化/デジタルニューマスター。特典として、解説リーフレット封入。
【ストーリー】
1950年代半ばのミュンヘン。スポーツ記者のロベルトは、ふとしたキッカケで往年の名女優ベロニカ・フォスと懇意になる。情緒不安定なベロニカに振り回されながらも、付き合いをやめられないロベルト。やがて彼はベロニカがモルヒネ中毒であることを知り、背後に悪徳医師の存在を突き止める。恋人のヘンリエッタと悪事を暴こうとするロベルトだったが……。
ナチ時代のウーファ映画のスターだったシビレ・シュミッツという実在の女優をモチーフに、コントラストの強い表現主義的モノクロ映像の美しさで迫る、R・W・ファスビンダーの大傑作。
【スタッフ】
監督・脚本:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
脚本:ペーター・メルテシャイマー
ペア・フレーリッヒ
美術:ロルフ・ツェーエトバウアー
撮影;クサファー・シュヴァルツェンベルガー
編集:ユリアーネ・ローレンツ
音楽:ペール・ラーベン
製作:トーマス・ジュリイ
【キャスト】
ベロニカ・フォス……ローゼル・ツェヒ
ロベルト・クローン……ヒルマール・ターテ
ヘンリエッタ……コーネリア・フロベス
カッツ医師……アンネマリー・デューリンガー
【受賞情報】
ベルリン国際映画祭グランプリ受賞
●『ケレル』
初DVD化/デジタルニューマスター。特典として、解説リーフレット封入。
【ストーリー】
ブレスト港に停泊する駆逐艦「復讐号」。この船で働く美貌の水兵ケレルは、麻薬を密売し、殺人を犯し、逞しい男たちに抱かれながらも、愛するのは自分だけという、悪の天使だった……。
36歳の若さで世を去ったジャーマン・シネマの鬼才R・W・ファスビンダーの遺作。ジャン・ジュネの4番目の小説『ブレストの乱暴者』を、全篇セットで、スコープ画面いっぱいの極彩色で映画化した。美貌の主人公を演じるのは「ミッドナイト・エクスプレス」「炎のランナー」のブラッド・デイヴィス。彼に恋心を抱く上官にフランコ・ネロ、淫売宿の女主人にジャンヌ・モローといった名優たちが脇を固める。
【スタッフ】
監督・脚本:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
原作:ジャン・ジュネ『ブレストの乱暴者』
装置:ロルフ・ツェーエトバウアー
撮影:クサファー・シュヴァルツェンベルガー
編集:ユリアーネ・ローレンツ
音楽:ペール・ラーベン
製作:ディーター・シドール
【キャスト】
ケレル……ブラッド・デイヴィス
リジアヌ……ジャンヌ・モロー
セブロン……フランコ・ネロ
ノノ……ギュンター・カウフマン
レビュー
[1]監督・脚本・撮影・編集: ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー 出演: フォルカー・シュペングラー/イングリッド・カーフェン/ゴットフリート・ヨーン[2]製作: トーマス・ジュリイ 監督・脚本: ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー 脚本: ペーター・メルテシャイマー/ペア・フレーリッヒ 撮影: クサファー・シュヴァルツェンベルガー 音楽: ペール・ラーベン 出演: ローゼル・ツェヒ/ヒルマール・ターテ/コーネリア・フロベス/アンネマリー・デューリンガー[3]製作: ディーター・シドール 監督・脚本: ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー 原作: ジャン・ジュネ 撮影: クサファー・シュヴァルツェンベルガー 音楽: ペール・ラーベン 出演: ブラッド・デイヴィス/ジャンヌ・モロー/フランコ・ネロ/ギュンター・カウフマン
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- 言語 : ドイツ語
- 梱包サイズ : 19.8 x 14 x 4.8 cm; 458.14 g
- EAN : 4523215015295
- 監督 : ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
- メディア形式 : ドルビー
- 時間 : 5 時間 22 分
- 発売日 : 2005/10/22
- 出演 : ブラッド・デイヴィス, ローゼル・ツェヒ, フランコ・ネロ, ジャンヌ・モロー, フォルカー・シュペングラー
- 字幕: : 日本語
- 販売元 : 紀伊國屋書店
- ASIN : B000AYB2MQ
- ディスク枚数 : 3
- Amazon 売れ筋ランキング: - 158,621位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 15,631位外国のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
1.13回目の新月のある年に:78年作。
一番地味な外観ながら内容は臓腑を抉る程痛切。
ジャケットの不自然な人物は性転換手術を受けた元精肉業者の男性だったエルヴィラ。
彼(女)の誕生から幼少期、就職、結婚、性転換、恋人との出会いと破局を含む己探しの5日間が残念極まりない結末に終わるざらついた感触のメロドラマ。
ファスビンダーの自殺した愛人男性との過去生活と戦後ドイツ社会を統括した苦く厳しい姿勢が窺えるが、妙なユーモア(灰色の不動産業者ザイト氏と彼の取り巻きが映画のシーンを真似して踊り出すetc.)と既成音楽の効果的な使用も印象。
2.ヴェロニカ・フォスの憧れ:82年作。
ドイツ復興3部作の末尾を飾るこちらもほろ苦いメロドラマ。
雨中一人泣き濡れるウーファ(戦前戦中のドイツ最大の映画会社。) の名女優、ヴェロニカ・フォスを偶然見染めたスポーツ記者。
気分屋ながら未だ魅力的な復帰を目指す彼女が時折見せる奇矯な行動。
実は彼女は薬物中毒で、背景には主治医による遺産争奪の陰謀が…。
モノクロの画面とペール・ラーベンの音楽。
現代の後味の悪い犯罪を想起させるバッドエンドながら本BOX内では一番普遍性の有るメロドラマ。
実在の女優シビル・シュミッツ(「タイタニック(1943独)」「吸血鬼(1932)」)の伝記を題材とした映画。
3.ケレル:82年作。
ドイツ復興三部作で商業的信頼も得たファスビンダーが満を持して監督自身が「最高の小説」と評した無頼作家ジャン・ジュネの「ブレストの乱暴者」を基に400万マルク以上を掛けて作られた大作。
人工的な原色と記号化されたゲイ的キャラクター、様式美的な殺陣とファスビンダー映画の常連作曲家ペール・ラーベンによる天界で奏でられたかの如き男性コーラスをバックに描がれた男騒ぎの物語。
本BOX中、最も好き嫌いが別れる内容。
ファスビンダーの名声により世界配給されたが、米国では一部は笑い物にされ(ペール・ラーベンが84年度ゴールデン・ラズベリー賞の最低主題歌、音楽賞にノミネート)、大部分では黙殺さたが、ゲイ・コミュニティには熱狂的に受け入れられた。
冒険的な役柄を厭わなかったブラッド・ディヴィス(「ミッドナイト・エキスプレス」「ルーツ」「炎のランナー」)が小柄で筋肉質な肉体と子供の様なハニカミの表情でタイトル・ロールのナルシスティックで繊細な悪漢ケレルを熱演。
世界的なセックス・シンボルとしてその血走った目が人気だったフランコ・ネロ(「ジャンゴ」「哀しみのトリスターナ」「殺しのライセンス」「ナバロンの嵐」「ダイハード2」)がケレルへの恋慕に悶えるセブロン中尉を。
ファスビンダー映画の常連であるギュンダー・カウフマンが、両刀使いでケレルを犯す娼館主人ノーノをそのガチムチボディで存在感を示す。
プロデューサーも兼ねたディーター・シドールはケレルから耽美的な死を賜う水夫仲間で。
悪徳警官マリオ役で自身も銀行強盗の罪で服役中に同性愛に目覚めたジュネを地で行くブリュクハルト・ドリースト。
マリオの同僚に写真家・監督としても有名なロジャー・フリッツ。
劇中警察事務所でマリオとノーノがしげしげと見ているエロ写真(モデルはナーチャ・ブルンクホルスト《クリスチアーネF》)の撮影も担当。
後半3名は「戦争のはらわた」にも出演しており同作のファンがご覧になると複雑な気持ちになるかも。
唯一の主要な女性キャラクターである娼館の女主人を演じたジャンヌ・モロー(「マドモアゼル」撮影時からジュネに共感を持ち本作出演)が歌う「全ての男が愛する者をダメにする」も聴き物。
ピエール&ジルの写真やフレディ・マーキュリーの80年代ビジュアル、田亀源五郎氏や山川純一氏の漫画で描かれる世界がお好きな方には文句無しの大推薦。
ケネス・アンガ-の「花火」、ジャン・ジュネ自身による唯一の監督作「愛の唄」と言った古典的ゲイ・フィルムの影響も顕著。
各DVD付属の渋谷哲也氏(字幕も担当)と柳下毅一郎氏のライナーノーツは充実した内容です。
但し、DVDとして映像はあまり美しくありません。
いきなり入るナレーションと音楽とタイトルの出かたからして既に最高! ―やるせないギターが響く娼館フェリア、メインキャストがそれぞれ渋くてイイ感じ。―そして船の上甲板で黙々と働く水兵たちの中から、輝かしい裸体のケレルが登場・・・。
ペーア・ラーベンの神話的な男性合唱がくりかえし高鳴って、突然ホワイトアウトする輝かしい画面に、威厳にみちた文章が刻まれる…。―この感じ、このかっこよさはこの映画でしか味わえない!!!
ひとつの静かなクライマックス、同じ殺人者である友達ジルを裏切る密告のシーンで、このかっこよさは頂点に達する。―「・・・情報がある。・・・出所は言うな。・・・あのポーランド人、・・・例のジルだが、・・・・・・・4時20分のボルドー行きに乗る。・・・・・チャオ」
この辺から終盤にかけて、リリー・マルレーンのときと同様、ペーア・ラーベンの音楽が甘く、メランコリック、センチメンタル、リリカルで絶妙にロマンティック!・・・。
とにかくゲイという問題に関わらず、映像-音楽-役者-台本すべての点できわめて幻惑的な、完全に別世界へ陶酔できる、マルホランド・ドライブ級の、極上の映画です!
―あと、クリスチーネ・Fのナーチャ・ブルンクホルストがヌードフォトで出演してるのも、DVDだとはっきり見れます。お見逃しなく。
―と、ちなみに昔レンタルでダビングしたビデオはフランス語版でした。けど今回のDVDは英語版のみ…。個人的には仏語版の方がカッコイイ気がするんで、そこはちょっと残念・・・。