ランクヘッド2枚目のミニアルバム『プルケリマ』。前作までの退廃的かつ虚無感を伴った陰鬱としたメロディーは影を潜め、美しい曲調のものが目立つようになった。
その最たる曲は表題作「プルケリマ」であろう。「夏の匂い」「音のない部屋」などの曲にも劣らないランク屈指の美メロ。3作目のアルバム『LUNKHEAD』には「プルケリマ Album version」が収録されているが、そちらもまた素晴らしい出来映え。
また3曲目の「木漏れ日」も、詞や最後のコーラスが綺麗だ。
「世界はどれだけの事を思い出に変えて進むのだろう だけどいつか忘れていくから 悲しいけれど生きていける」
この歌詞には鳥肌が立った。今までひたすら孤独や絶望を書いていた小高氏が希望を孕んだ詞を書いたということ。次作以降の詞の中にはよく見かける希望の言葉。それは今作から始まったのではないか。
余談だが、ランクヘッドのミニアルバムは全て傑作である。『V0X』は個人的に人生で聴いてきたCDの中で最高傑作だと思っている。万人に聴いてほしい。
そしてランクヘッドを語る上で欠かすことの出来ない、重要な転換期という意味で、この『プルケリマ』もぜひ多くの人に聴いてもらいたい。