この時代のアメリカは誰もが閉塞感に溢れ、何をしても無駄だと言う風潮が蔓延していた。
体制や社会に皆が押し潰れれそうになっていた時代でもあった。
ニューヨークの隅から隅を駆け巡るニューヨークの地下鉄に、自らを体現するダギング(マーキング)とそのカラフルなアートを施し、『消されつつある自我の存在と言葉』をこの地下鉄がニューヨーク中の人々へと運び示し、その考え方を広めて行った。
当時のニューヨークの若者の柔軟さと知恵、力で壊すのでは無くアートで壊す(ボムする)。
まだヒップホップが完成したと言われる時代の前の作品であり、今の完成されたヒップホップの原型がここに見える。
45年あるヒップホップの歴史の中で、絶対に欠く事の出来ないピースのひとつを知る事が出来る。