本当に充実した内容のベスト盤です。
曲順が年代順になっており、どんどん精緻に、深遠になっていくTICAの進化を俯瞰することができます。
各トラックは細部まで非常に拘った有機的な音作りがなされています。
全体的にはゆったりした大人の音楽、といった感じです。
ラストの『Bluebird』は、曲自体名曲であるのに加え、
オリジナリティあふれる完璧なアレンジとなっています。
ボーカルも非常に味わい深く、思わず涙が出そうになります。
まさにTICAの真骨頂でしょう。
それと、TICAはカバーものも多いのですが、このベスト盤でも選曲センスの良さが光っています。
カフェ系だとか言って単にお洒落さんのBGMにするだけではもったいないです!
TICAの音楽にはそんな言葉だけでは片付けられない魅力があると思います。
僕自身TICAを知ったのは比較的最近でしたが、
こんなかっこいいアーティストがまだ日本にいたんだなー!ってびっくりしました。
もっと広く聴かれていいのではないでしょうか?!
因みにライナーノーツの対談は下北沢レテというバーで行われていますが
最近ここでTICAのライブがあり、僕も行きました。
真冬のとても寒い一夜、電燈に照らされた店内の暖かな雰囲気にぴったりな音楽でした。