全盛期バンシーズの83年のライブ記録に特典映像が絡んだ商品。80年代NW直撃世代のオサーンの僕は、このライブは音源(2枚組LP)の方で聴き倒したものだが、恥ずかしながらビデオ商品の方も発売されていたとは当時知らなかったので、この映像作品を40手前になってから見つけてスグに飛びついた。音源の方は、高校の時に初めて聴いてブッ飛んでから20年が経過しているが、未だにその後の人生で出あったライブ盤の中で、ジャンルを問わず5本の指に入る評価をしている。
という具合に、期待感マンマンで視聴したら、なんと曲目が減らされていて、曲順も音源からかなりイジられてるじゃありませんか!音源の方では、狂気溢れる轟音ストラヴィンスキーのイントロから1曲目「Israel」という完璧な立ち上がりの後、明る目の「Dear Prudence」で変化をつけてたんだけど、この映像版ではそこがあっさりカットされている。「Slowdive」「Happy House」など、削られた代表曲の名演は他にもありますね。残念ながら、カメラワーク・編集ともに80年代NW全盛期にはこういう気の抜けたビデオ商品がいっぱいあったなー、ということを思い出してしまった。
でも、バンドの演奏自体は狂気溢れる素晴らしい名演です。パンク/NW全盛期の観客達の気合入ったファッションも見ものでしょう。衣裳から察するに、実は音源の方も元々2日間の公演を編集してパッケージ化してたようで、今となってはオリジナルの演奏がどういう曲順だったかは定かではない以上、曲順がアルバムと違うのはまあ許そう。でも、どうせ再発するならカットされた代表曲の演奏映像こそ特典で入れてほしかったんだよなー、という不満があって星一つ減らしました。私のように音源に暑苦しい思い入れのない方は、普通に五つ星ではないでしょうか。