年を取ると1977年当時の夏の空気が懐かしくて、たまに「八つ墓村」のDVDを見るのだが、今日見たら霊を見つけてしまった・・・・
ショーケンが出てるシーンで「窓に女性の腕が見えた」やつとは違うシーンだ。だが、霊が現れた現場は「同じビル」なのかもしれない。
筆者が見た霊だが、一階じゃないのに、明らかに窓の外に人物がいる。無理だろ。最初は作業員か何かかと思ったが「影」みたいな感じでスーッと動いてる。腕だけとかじゃなく、身体全体が見える。あれが霊の動きなのか、と。ああいう霊は韓国ドラマのDVDに良く出てくるので何度も見ているが、映画で目撃するのは「羅生門」「情事」に続いて3作目だ。
「八つ墓村」の場合、1時間06分前後のシーンでこの霊を見ることができる。
八つ墓村 [DVD]
フォーマット | 色, ドルビー, ワイドスクリーン |
コントリビュータ | 小川真由美, 野村芳太郎, 渥美清, 山本陽子, 萩原健一, 橋本忍, 山崎努, 横溝正史 |
言語 | 日本語 |
稼働時間 | 2 時間 31 分 |
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商品の説明
Amazonより
横溝正史の同名ミステリ小説を松竹映画の巨匠・野村芳太郎監督が映画化し、大ヒットを記録した超大作。東京に住む辰弥(萩原健一)は、自分を探していた祖父が目の前で毒殺死したことを機に、故郷の八つ墓村を訪れた。そこは戦国時代の落武者惨殺の伝説に彩られた地であり、やがてそこで謎の連続殺人事件が勃発する…。
名探偵・金田一耕助には渥美清が扮しているが、ここでの彼は語り部に徹している。日本中の鍾乳洞をロケしてつなぎあわせた村の地下洞シーンや落武者惨殺、村人32人殺し、寺田家炎上などおどろおどろしい映像的見どころも多いが、それよりも大きな特色は謎解きミステリを超えて、怨念の実在を説く映画独自のストーリー展開。
また、原作の舞台は戦後だったのを、映画では現代(1977年)に設定したことで、祟りという概念が今なお根強く人心に根付いていることを、より強く印象づけることにもなった。(的田也寸志)
レビュー
監督: 野村芳太郎 原作: 横溝正史 脚本: 橋本忍 撮影: 川又昴 美術: 森田郷平 音楽: 芥川也寸志 出演: 渥美清/萩原健一/小川真由美/山崎努/山本陽子
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- アスペクト比 : 2.35:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 日本語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4988105047020
- 監督 : 野村芳太郎
- メディア形式 : 色, ドルビー, ワイドスクリーン
- 時間 : 2 時間 31 分
- 発売日 : 2005/12/3
- 出演 : 渥美清, 萩原健一, 小川真由美, 山崎努, 山本陽子
- 言語 : 日本語 (Dolby Digital 2.0 Surround)
- 販売元 : 松竹ホームビデオ
- ASIN : B000BKJF8M
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 132,861位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 1,256位日本のミステリー・サスペンス映画
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年5月14日に日本でレビュー済み
金田一耕助物の映画版のDVDは 角川「犬神家の一族」東宝「悪魔の手毬唄」と
この「八つ墓村」の3枚でいいかな。
映画館でもリアルタイムで観たけど、見応えは確かにあった、 最後近くで金田一の解説、
「これは犯人の美弥子さえ知らない不思議な事実が、、」と言い 更に続けて
末代まで祟ってやる!と断末魔の叫びあの落武者の大将の尼子義孝は何と、美弥子の先祖と云う事が
寺の過去帳で、、、は、構成が凄いと思った。つまり観ている観客の殆ど(自分も含めて)は
祟りに見せかけた殺人と思っていたが、結局は血の因縁(DNA)が成し遂げた報復、
炎で燃えている屋敷を8人の落武者の亡霊が見届けて笑うシーンの演出もヨカッタです。
ただ渥美清の金田一耕助は自分も違和感がある。原作も辰也が主役で金田一は脇役だから
まぁいいけど、映画も解説に回ってるし、渥美氏は松竹の大作にはよくゲストのチョイ役で出てるから
「砂の器」や「幸福の黄色いハンカチ」etcで、だからこれも警察陣か諏訪弁護士役で出演し
金田一は他の性格俳優でも良かった気がする。設定が現在(77年)だから原作通りの石坂・古谷のような
スタイルにすることもないしね、、、。
この「八つ墓村」の3枚でいいかな。
映画館でもリアルタイムで観たけど、見応えは確かにあった、 最後近くで金田一の解説、
「これは犯人の美弥子さえ知らない不思議な事実が、、」と言い 更に続けて
末代まで祟ってやる!と断末魔の叫びあの落武者の大将の尼子義孝は何と、美弥子の先祖と云う事が
寺の過去帳で、、、は、構成が凄いと思った。つまり観ている観客の殆ど(自分も含めて)は
祟りに見せかけた殺人と思っていたが、結局は血の因縁(DNA)が成し遂げた報復、
炎で燃えている屋敷を8人の落武者の亡霊が見届けて笑うシーンの演出もヨカッタです。
ただ渥美清の金田一耕助は自分も違和感がある。原作も辰也が主役で金田一は脇役だから
まぁいいけど、映画も解説に回ってるし、渥美氏は松竹の大作にはよくゲストのチョイ役で出てるから
「砂の器」や「幸福の黄色いハンカチ」etcで、だからこれも警察陣か諏訪弁護士役で出演し
金田一は他の性格俳優でも良かった気がする。設定が現在(77年)だから原作通りの石坂・古谷のような
スタイルにすることもないしね、、、。
2023年4月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
何度も見ている映画で、最近は一年に一度は見ています。好きな映画なのでDVDで買いました。
やはり迫力があります。また見るたびに新しい発見があります。
この映画はもっともっと評価されてもいいと思うくらいですね。若い人にもおすすめです。
やはり迫力があります。また見るたびに新しい発見があります。
この映画はもっともっと評価されてもいいと思うくらいですね。若い人にもおすすめです。
2020年9月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
八つ墓村を見たけど、すごくびっくりしたで!😅
2023年2月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まぁ皆様ご存知の?津山大量殺人事件がベ−スになってますが、やはり娯楽映画としての金字塔と思います!金田一物大ヒット作!ただ殺人場面は短いのがずっと不満ですね(笑)無情さとリアル感もとめると若松孝二監督ので見直します(笑)
2022年8月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
子供の頃、CMでろうそく2本頭につけて
襲ってくる映像をみてショックだった。
八墓村の祟りだ~~(懐かしい)
改めてみたら、ショーケンや渥美清も
でていたのか…。意外とストーリーは
何となく「そして誰もいなくなった」的な
連続殺人なんだけど。犯人の本当の
動機が現実アリアリの金がからむ
やばいストーリーだった。
しかし洞窟のシーンがあったなんて
わすれていたなぁ。
襲ってくる映像をみてショックだった。
八墓村の祟りだ~~(懐かしい)
改めてみたら、ショーケンや渥美清も
でていたのか…。意外とストーリーは
何となく「そして誰もいなくなった」的な
連続殺人なんだけど。犯人の本当の
動機が現実アリアリの金がからむ
やばいストーリーだった。
しかし洞窟のシーンがあったなんて
わすれていたなぁ。
2023年1月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昔から、横溝正史のファンで文庫本もほとんど持っていて、本を読むのも好きですが
映画になったりテレビで見るのも楽しみです
横溝正史の書く探偵ものは犯人がすぐにわからない事や最後になぜ犯行を行ったのが
金田一耕助の推理によってわかり、楽しめる作品です。内容は怖いものがありますが、
出演している俳優の豪華な所も見どころです
映画になったりテレビで見るのも楽しみです
横溝正史の書く探偵ものは犯人がすぐにわからない事や最後になぜ犯行を行ったのが
金田一耕助の推理によってわかり、楽しめる作品です。内容は怖いものがありますが、
出演している俳優の豪華な所も見どころです
2023年12月1日に日本でレビュー済み
『八つ墓村』(Village Of The Eight Tombs)('77)
出演∶萩原健一、小川真由美、山崎努、山本陽子、市原悦子、山口仁奈子、中野良子、加藤嘉、井川比佐志、花沢徳衛、綿引洪、下絛アトム、夏八木勲、田中邦衛、稲葉義男、橋本功、大滝秀治、夏純子、藤岡琢也、下絛正巳、山谷初男、浜田寅彦、浜村純、任田順好、吉岡秀隆、渥美清
監督:野村 芳太郎
1970年代の日本映画を語る時、出版界(角川書店)のブームとコラボした、横溝正史のミステリー(金田一耕助シリーズ)原作の作品群を除いては語れないだろう。そもそもの端緒は、'60年代終盤に角川文庫が、横溝正史の作品の文庫化を"推し"始めたあたりからだろうか。(過去には、'40〜'50年代に片岡千恵蔵、'60年代に高倉健主演で映画化されたが、ブームというほどではなかったのでは……)
横溝作品の映像化ブームの最初は、'76年の『犬神家の一族』に始まる角川映画(東宝配給)のシリーズ(市川崑監督·石坂浩二主演)と、一般的には認識されてると思う。私の子供時代の記憶では、'70年頃『犬神家』のTV化作品を見ている。タイトル·時代設定·舞台設定は大幅に変わっていて、それを見た頃の私は、"横溝正史"も"金田一"も知りませんでした。金田一らしき探偵は出てこなくて、弁護士の中山仁が探偵役でしたが、ゴムマスクの不気味な男(佐清)の存在が強く印象に残りました。
角川文庫のブーム便乗映画の最初は、'75年のATG作品(インディーズ系)『本陣殺人事件』(金田一=中尾彬)ではなかったか? 続いて角川(東宝)『犬神家の一族』('76)(石坂浩二)、松竹『八つ墓村』('77)(渥美清)、東映『悪魔が来りて笛を吹く』('79)(西田敏行)と続く(TVでは、古谷一行のシリーズもあったが……)。それ以降、現在までTVも含めて多数の作品が映像化され、金田一役は、片岡鶴太郎、上川隆也、稲垣吾郎、豊川悦司、長谷川博己、吉岡秀隆……と、枚挙にいとまがない。
だが、"金田一耕助"のキャラを原作のイメージに沿ったカタチで最初にポピュラーにしたのは、角川映画版の石坂浩二=金田一耕助だろう。(不潔なボサボサ頭とヨレヨレの和服姿) だが、原作者に言わせると石坂=金田一は、二枚目過ぎ&頭良さそう過ぎるんだとか……。(スーツ姿の片岡千恵蔵や高倉健は論外でしょう) 角川映画版に対抗して松竹版『八つ墓村』が作られる時に、原作者·横溝が推したのが、渥美清だとか…(宣伝用の"挿話"でなければ…)。舞台を現代に置き換えてあるので和服姿ではありませんが……。
[物語] 某空港で航空機誘導員として勤める寺田辰弥(萩原)は、新聞の尋ね人欄で、大阪の法律事務所が自分を探していると知る。大阪の事務所を訪ねると、そこには亡き母の父だという井川丑松(加藤)がいて、辰弥の背中の火傷の痕により辰弥の出自が証明される。だが直後に丑松はもがき苦しみだし、急死してしまう。毒殺か? 辰弥は、父方の親戚筋という未亡人·森美也子(小川)の案内で、丑松の遺骨を持って、母の生まれ故郷であり、その存在すら知らなかった実父の家と聞かされた岡山の旧家を訪れる。
その家·多治見家は、双子の大伯母·小竹(市原)と小梅(山口)が仕切っていた。辰弥には、腹違いの兄·久弥(山崎)と姉·春代(山本)がおり、病床の久弥は余命幾ばくもなく、子もいないため、辰弥が豪家の多治見家の後継者であると聞かされる。辰弥の母·鶴子(中野)は、先代当主·要蔵(山崎·二役)の妾であったが、赤子の辰弥を連れて出奔、別の地で結婚し、辰弥の幼少時に病死したのだ。継父の再婚相手に弟妹が出来、居づらくなった辰弥は養家を出て久しく、実母の過去も初めて知ったのである。
その村は以前、"八つ墓村"と呼ばれていた。話は戦国時代に遡る。毛利に敗れた武将·尼子義孝(夏八木)ら8人の落武者が、その地に落ち延び、村外れに住みついた。だが、毛利の報奨金に目が眩んだ村の総代·庄左衛門(橋本)らの騙し討ちに遭った8人は、「末代まで祟ってやる」と呪詛の言葉を残して惨殺される。その庄左衛門が興したのが多治見家であった。
そして村の過去には、首謀者の庄左衛門が悲惨な死を遂げたのを皮切りに、呪われた歴史が繰り返されてきたのだ。辰弥の実父·要蔵の時代にもおぞましい過去があるという。そして、唯一の後継者·辰弥の帰還を待っていたかのように、村ではまた殺人の連鎖が始まる……。そんな時、村に金田一と名乗る奇妙な男(渥美)が現れ何かを調べている……。金田一は、辰弥に「君は要蔵の子供ではない」と謎の言葉を……。鄙びた村の裏側で何が起きているのか? 400年前の呪いの仕業なのか!?
この映画、数十年ぶりでBlu-rayで見たが、初公開当時の印象とはだいぶ違って見える。(こんなに面白かったか!?) おそらく初公開当時、原作ファンだった私には、原作通りボサボサ頭·ヨレヨレ和服姿の石坂=金田一のイメージが強かったことと、終戦直後が舞台の原作を1970年代に設定変更したことから、映画の出来以前に、違和感を覚えてしまったのではないか。それで、映画への自分的評価が割引きされていたようだ。
今となっては、映画が製作され、話の舞台となった'70年代も、50年近く前の昔。原作の設定と映画の設定の30年近い差など、あまり気にならないような……。麦わら帽子に"'70年代カジュアル"な服装の渥美=金田一も、初見の頃ほどの違和感は感じられない(笑) 本格ミステリー的な謎解きの醍醐味はあまり深く追求せず、"因果"を巡る伝奇ロマン性を強調した作りが、角川·東宝版とは違った切り口のエンターテインメント大作として成功していると思う。
松竹映画のエース的巨匠·野村芳太郎監督といえば、松本清張原作の『張込み』『影の車』『砂の器』『疑惑』や、大岡昇平のベストセラー原作の裁判もの『事件』など、社会派的なミステリー映画で知られているが、毛色のまったく違う横溝作品でも、その手腕を存分に発揮してます。
[余談] 今回、Blu-rayで見て、不覚にも初めて知りました。のちに『男はつらいよ』シリーズで寅さん(渥美清)の甥で、さくら(倍賞千恵子)の息子·満男を演じることになる吉岡秀隆が、主人公·辰弥の子供時代の役で映画デビューしてたんですね! しかも、その吉岡氏、ここ数年NHK-BSプレミアムでシリーズ化されている横溝作品で、金田一耕助を演じている。これも八つ墓のタタリ……いや、なにかの"因縁"!?
出演∶萩原健一、小川真由美、山崎努、山本陽子、市原悦子、山口仁奈子、中野良子、加藤嘉、井川比佐志、花沢徳衛、綿引洪、下絛アトム、夏八木勲、田中邦衛、稲葉義男、橋本功、大滝秀治、夏純子、藤岡琢也、下絛正巳、山谷初男、浜田寅彦、浜村純、任田順好、吉岡秀隆、渥美清
監督:野村 芳太郎
1970年代の日本映画を語る時、出版界(角川書店)のブームとコラボした、横溝正史のミステリー(金田一耕助シリーズ)原作の作品群を除いては語れないだろう。そもそもの端緒は、'60年代終盤に角川文庫が、横溝正史の作品の文庫化を"推し"始めたあたりからだろうか。(過去には、'40〜'50年代に片岡千恵蔵、'60年代に高倉健主演で映画化されたが、ブームというほどではなかったのでは……)
横溝作品の映像化ブームの最初は、'76年の『犬神家の一族』に始まる角川映画(東宝配給)のシリーズ(市川崑監督·石坂浩二主演)と、一般的には認識されてると思う。私の子供時代の記憶では、'70年頃『犬神家』のTV化作品を見ている。タイトル·時代設定·舞台設定は大幅に変わっていて、それを見た頃の私は、"横溝正史"も"金田一"も知りませんでした。金田一らしき探偵は出てこなくて、弁護士の中山仁が探偵役でしたが、ゴムマスクの不気味な男(佐清)の存在が強く印象に残りました。
角川文庫のブーム便乗映画の最初は、'75年のATG作品(インディーズ系)『本陣殺人事件』(金田一=中尾彬)ではなかったか? 続いて角川(東宝)『犬神家の一族』('76)(石坂浩二)、松竹『八つ墓村』('77)(渥美清)、東映『悪魔が来りて笛を吹く』('79)(西田敏行)と続く(TVでは、古谷一行のシリーズもあったが……)。それ以降、現在までTVも含めて多数の作品が映像化され、金田一役は、片岡鶴太郎、上川隆也、稲垣吾郎、豊川悦司、長谷川博己、吉岡秀隆……と、枚挙にいとまがない。
だが、"金田一耕助"のキャラを原作のイメージに沿ったカタチで最初にポピュラーにしたのは、角川映画版の石坂浩二=金田一耕助だろう。(不潔なボサボサ頭とヨレヨレの和服姿) だが、原作者に言わせると石坂=金田一は、二枚目過ぎ&頭良さそう過ぎるんだとか……。(スーツ姿の片岡千恵蔵や高倉健は論外でしょう) 角川映画版に対抗して松竹版『八つ墓村』が作られる時に、原作者·横溝が推したのが、渥美清だとか…(宣伝用の"挿話"でなければ…)。舞台を現代に置き換えてあるので和服姿ではありませんが……。
[物語] 某空港で航空機誘導員として勤める寺田辰弥(萩原)は、新聞の尋ね人欄で、大阪の法律事務所が自分を探していると知る。大阪の事務所を訪ねると、そこには亡き母の父だという井川丑松(加藤)がいて、辰弥の背中の火傷の痕により辰弥の出自が証明される。だが直後に丑松はもがき苦しみだし、急死してしまう。毒殺か? 辰弥は、父方の親戚筋という未亡人·森美也子(小川)の案内で、丑松の遺骨を持って、母の生まれ故郷であり、その存在すら知らなかった実父の家と聞かされた岡山の旧家を訪れる。
その家·多治見家は、双子の大伯母·小竹(市原)と小梅(山口)が仕切っていた。辰弥には、腹違いの兄·久弥(山崎)と姉·春代(山本)がおり、病床の久弥は余命幾ばくもなく、子もいないため、辰弥が豪家の多治見家の後継者であると聞かされる。辰弥の母·鶴子(中野)は、先代当主·要蔵(山崎·二役)の妾であったが、赤子の辰弥を連れて出奔、別の地で結婚し、辰弥の幼少時に病死したのだ。継父の再婚相手に弟妹が出来、居づらくなった辰弥は養家を出て久しく、実母の過去も初めて知ったのである。
その村は以前、"八つ墓村"と呼ばれていた。話は戦国時代に遡る。毛利に敗れた武将·尼子義孝(夏八木)ら8人の落武者が、その地に落ち延び、村外れに住みついた。だが、毛利の報奨金に目が眩んだ村の総代·庄左衛門(橋本)らの騙し討ちに遭った8人は、「末代まで祟ってやる」と呪詛の言葉を残して惨殺される。その庄左衛門が興したのが多治見家であった。
そして村の過去には、首謀者の庄左衛門が悲惨な死を遂げたのを皮切りに、呪われた歴史が繰り返されてきたのだ。辰弥の実父·要蔵の時代にもおぞましい過去があるという。そして、唯一の後継者·辰弥の帰還を待っていたかのように、村ではまた殺人の連鎖が始まる……。そんな時、村に金田一と名乗る奇妙な男(渥美)が現れ何かを調べている……。金田一は、辰弥に「君は要蔵の子供ではない」と謎の言葉を……。鄙びた村の裏側で何が起きているのか? 400年前の呪いの仕業なのか!?
この映画、数十年ぶりでBlu-rayで見たが、初公開当時の印象とはだいぶ違って見える。(こんなに面白かったか!?) おそらく初公開当時、原作ファンだった私には、原作通りボサボサ頭·ヨレヨレ和服姿の石坂=金田一のイメージが強かったことと、終戦直後が舞台の原作を1970年代に設定変更したことから、映画の出来以前に、違和感を覚えてしまったのではないか。それで、映画への自分的評価が割引きされていたようだ。
今となっては、映画が製作され、話の舞台となった'70年代も、50年近く前の昔。原作の設定と映画の設定の30年近い差など、あまり気にならないような……。麦わら帽子に"'70年代カジュアル"な服装の渥美=金田一も、初見の頃ほどの違和感は感じられない(笑) 本格ミステリー的な謎解きの醍醐味はあまり深く追求せず、"因果"を巡る伝奇ロマン性を強調した作りが、角川·東宝版とは違った切り口のエンターテインメント大作として成功していると思う。
松竹映画のエース的巨匠·野村芳太郎監督といえば、松本清張原作の『張込み』『影の車』『砂の器』『疑惑』や、大岡昇平のベストセラー原作の裁判もの『事件』など、社会派的なミステリー映画で知られているが、毛色のまったく違う横溝作品でも、その手腕を存分に発揮してます。
[余談] 今回、Blu-rayで見て、不覚にも初めて知りました。のちに『男はつらいよ』シリーズで寅さん(渥美清)の甥で、さくら(倍賞千恵子)の息子·満男を演じることになる吉岡秀隆が、主人公·辰弥の子供時代の役で映画デビューしてたんですね! しかも、その吉岡氏、ここ数年NHK-BSプレミアムでシリーズ化されている横溝作品で、金田一耕助を演じている。これも八つ墓のタタリ……いや、なにかの"因縁"!?