私は殆どジャズを聴かない。特に前衛的といわれるジャズは聴かない。普段は所謂ロック、ポップスばかりを聴いている。しかし、渋さ知らズのファンである。それはどんなジャンルの音楽でも取り込んでしまう音楽性と、ダンドリスト(リーダー?)の書く疾走感のあるメロディーにあるのだと思う。私は、彼らの音楽をロックとして聴いてきた。
この作品は、今から3年前にドイツのメールスミュージックのために録音してあった、ヨーロッパのファンとマーケット向けの音源がドイツでCD化されたことを記念し発売された日本盤である。演奏された曲は、火男、行方知らズ、ナーダムとエージャナイカ以外は他のCDでも聴くことのできるおなじみのものである。
録音メンバーは12名。今は渋さから離れていると思われる渋谷毅もオルガンで参加、ダンドリスト不破大輔も本業?のベースを弾いている。
彼らは世界3大ジャズ祭といわれているドイツのメールス音楽祭に4度招待されている。そしてトリも努めている。彼らの音楽は、ヨーロッパでは完全にジャズバンドとして認識されているに違いない。
それを意識したのだろう、この作品での渋さ知らズはインプロビゼーションを聴かせる12名のジャズバンドである。そして、彼らを評するには否定的な表現なのかもしれないが、インプロを繰り返しながらもバンドとしての一体感が感じられる作品である。
混沌とした何でもありの大集団としての彼らもいいが、コンパクト?なメンバーでのジャズバンド渋さ知らズもいい、と認識させられた一枚。文句なしの☆五つである。