なんでもBPOは月例で楽団員会議を開くらしいが、もうリアル『のだめカンタービレ』というか、個性の強そうな楽団員の多いこと。1882年創立のBPOの主席指揮者といえば、フルトベングラー、カラヤンがあまりにも有名だが、新しい時代の指揮者を選ぶということは、BPOが「ベートベーンとブラームスにこだわるのか、それとも新しい方向にいくのかという未来を選択することでもある」という話や「新しいシェフと何かをつくっていく気持ちで選ぶ」なんていう言葉は印象的。
この時点で候補者はマゼール、バレンボイム、サロネン、ハインティンク、メータそしてラトル。「オーケストラの技術があがってきているのでマエストロはもう必要ない」というサロネンの言葉は面白かった。楽団員も「トスカニーニのような指揮者はいらない」といっていたし、まあ、そういった流れなんだろう。
ということで、どの指揮者とも関係を保ちたいBPOとしては、誰が何票獲ったかということは公表しないことを決めて最初の投票に臨んだが、1回目では決まらず、バレンボイムとラトルの決選投票になり、最終的にはサイモン・ラトルに決まったというのもデリケートに発表していた感じ。