バンコのアルバムでは、わたしいちばん好きかも知れません。理由はメリハリのきいた演奏にあります。抒情性をカットして、攻撃的とも言える演奏は、マンティコア・サイドからリクエストされたものだったでしょう。主にサード・アルバムの曲の再録ですからウォームアップやリハーサルも必要ないし。リラックスしてほいほいと演奏した様子に聴こえます。英国盤は売れなかったようですが、それもそのはず、ひどいカバーアートに理由があります。現在でこそセピア色に着色されていますが、英国盤はモノクロのコピーみたいな代物だったからです。なぜかこのバージョンをわが国のユーザーが好きみたいで何度も再発されているのは日本だけです。
もうひとつ書いておきたいことはミックス。マンティコア・サイドが行った(と思われる)リミックスは、ワールド・スタンダードなもので、レンジの広い録音はELPとそん色ありません。イタリア国内のミックスは、ドラムズの音がいつも弱くて迫力が今一なんです。これだけでもこの盤を手に入れる価値があります。2 L'Albero Del Pane (The Bread Tree) だけは、ミックスもイタリアみたいです。音の感触が違いますんで。