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名匠マキノ正博監督がサイレント映画からトーキーへの移行期であった1930年代に手がけたオペレッタ時代劇。ストーリーは江戸の町を舞台に、貧乏浪人(片岡千恵蔵)をめぐる恋の鞘あてを進めていくものだが、そこで次々と繰り出される歌の抱腹絶倒の面白さ。特にバカ殿様に扮するジャズ・ヴォーカリストのディック・ミネが初登場する際の「♪僕はわか~いとのさま~」と歌い出す、そのおかしさといったら、もう耳にこびりついて忘れられなくなるほどのものだ。ついには黒澤映画などの名優・志村喬まで見事なのどを披露。全編テンポよく、明るく軽く、映画の楽しさというものを凝縮させた、今も伝説として語り継がれる傑作中の傑作である。かつてはこういうイキな映画が日本でも作られていたのだ。しかもこの作品、たった7日間で作られたというのだから、いやはや何とも……。(増當竜也)
レビュー
監督: マキノ正博 脚本: 江戸川浩二 撮影: 宮川一夫 出演: 片岡千恵蔵/市川春代/志村喬/ディック・ミネ/遠山満/服部富子/深水藤子/香川良介
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)