B級コメディですが、かなりオススメです。
子供の頃から貧しい家の父子家庭で育てられながらも、父親に教わったボウリングの腕を磨き上げて全州チャンピンオンになったロイ。得意の絶頂だったはずが、前チャンピオンの男(ビル・マーレイ)のせいで、ヤクザなバクチに巻き込まれ、なんと右手首を失ってしまいます。ここは怖いシーン。そして17年のときが流れ、今のロイはしがないセールスマン。頭は薄くなり、腹はデップリ。
ところがある日ボーリング場で、アーミッシュの男と出会い、その才能に惚れこんで、その男をチャンピオンにしたてようと決意します。
そこからが楽しいロードムービーの始まりです。途中でDV男から抜け出してきた美女も加わり、三人のデコボコ道中が続きます。
アメリカンコメディはなかなか外国人には難しいことが多いですが、この映画はいい意味で単純で、わかりやすくてめちゃくちゃ笑えます。
おもしろかったのが、旅の途中で金を稼ぐためにボーリングの試合で賭けるのですが、相手を負けさせるために、美女(バネッサ・エンジェル)がセクシーな肢体を魅せて気を散らします。ところが、農家のおっさんたちはいくらバネッサががんばってもまったく動じません。そこで、隣のレーンに羊を持ってきたところ、見事、羊の可愛さに気を取られてしまう。農家のおっさんは、女の代わりに羊と仲良くしてるなんて昔からギャグで言われていますが、そんなアホな!的ギャグ。
失った右手首も、どんどんギャグのネタにつかうので、最初の悲しさはふっとびます。ひょんな拍子で抜けてしまったゴムの義手がレーンから飛んでいって、後ろの席でいちゃついているカップルの、あろうことか女性の胸の上に落下。若い二人はそれにも気づかずディープキッスの真っ最中。ロイは二人を邪魔しないようにそうっと義手を女の胸から取り上げて、かわりに男の手を女の胸にそうっともっていきます。おもいやりというのかなんなのか、爆笑しました。
ところで、このアーミッシュの男、どっかで見たことがあったなぁ、と思ったら、インディペンデンス・デイで、昔UFOに誘拐されたという農家の親父の役をしていた俳優さんでした。最後は複葉機で巨大宇宙船につっこんでいくヒロイックな姿が印象です。このキングピンも、インディペンデンス・デイと同じ年の96年製作なんですね。