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フランスの奇才、フランソワ・オゾン監督による異色のラブストーリー。あるカップルの離婚、いさかい、出産、結婚、出会いという5つの瞬間を描くのだが、時をさかのぼっていくという斬新な展開だ。
マリオンとジルのカップルの愛の軌跡には、衝撃的なエピソードが織り込まれる。離婚届を出した直後のセックス、結婚式当夜の危険な誘惑…。唖然とする出来事の数々は、愛の複雑さを熟知したオゾン監督作ならでは。これらのエピソードは、愛する人には決して言えない人間の本能的な行動であり、観る者の心の奥底を刺激するのだ。
その強烈な描写を、優しくオブラートのように包むのが、バックに流れる心地良いイタリアンポップスで、このあたりにもオゾンの映画作りの巧妙さを感じさせる。過去に戻るにつれ、表情やヘアメイクで若くなっていく主演ふたりの好演も必見だ。そしてラストシーン。いつまでも観ていたい美しさの向こうに、ふたりの未来が予感され、絶品! ハリウッドのラブストーリーを見慣れた人には少々毒気が強いかもしれないが、これこそが人間の本質、これこそが愛の真実に近い映画である。(斉藤博昭)
レビュー
監督: フランソワ・オゾン 脚本: フランソワ・オゾン/エマニュエル・ベルンエイム 撮影: ヨリック・ルソー 編集: モニカ・コールマン キャスティング: アントワネット・ブーラ 音楽: フィリップ・ロンビ 音響: ジャン=ピエール・デュレ 出演: ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ/ステファン・フレイス/ジェラルディン・ペラス/フランソワーズ・ファビアン 声の出演: 唐沢潤/木下浩之/岡寛恵/沢田敏子
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)