Testamentのエリック・ピーターソン、Nevermoreのスティーヴ・スマイスらによるシンフォニック・ブラックメタルバンドによる2ndアルバム。2006年の作品です。メンバーもそれぞれコープスペイントを施し、音楽面のみならずビジュアル的にもかなり気合が入っています。レコーディングはフレドリック・ノードストロームのプロデュースのもとスウェーデンの『Studio Fredman』で行われており、徹底して北欧ブラックにこだわった作品となっています。
ベースのデリック・ラミレズはTestamentがまだLegacyと名乗っていた頃に在籍していたギタリストで、Testamentのアルバム「Demonic」でベースを弾いていた人物。前作と若干顔ぶれは違えど、やはり「Testament人脈」で構成されたラインナップです。
前作に比べキーボードが若干奥に引っ込み、そしてギターが前面に出てきています。Dimmu Borgirっぽさは相変わらずですが、メタルのアルバムとしてはこのぐらいのバランスがちょうどいいのでは。典型的なブラックメタルとはまた違ったスラッシュメタル由来のザクザクとしたリフと、冷ややかなシンセの対比。そして壮絶なブラストビートを始め、緩急うまく織り交ぜた曲構成。あらゆる面で前作を超えたアルバムとなっています。
リフ、ソロともに、ギタリスト2名の仕事が素晴らしい。
#10 "Black Funeral" はMercyful Fateの、#11 "Emerald" はThin Lizzyのカヴァー。前者のハマりようはまあ当然として、後者は全編クリーンヴォイスで歌われているのですが、リフの重く鋭い刻みと哀愁あるツインリードが強力で、意外と違和感なく仕上がっています。