スウェーデン出身の敏腕ギタリスト、プロデューサーとしてメロディックロック界では知る人ぞ知るトミー・デナンダーが、その幅広い人脈からの豪華な客演により、敬愛するTOTOへのオマージュ溢れるカラフルなメロディックロックを製作するプロジェクトの第3作。
1作目は全編に故ジェフ・ポーカロはじめTOTOが参加していて豪華であったが、2作目は多少その面では地味になった嫌いがあった。しかし、本作はまさに過去最高の顔ぶれだ。列記するだけで文字が埋まってしまうので、代表的なところだけ書いても、ヴォーカルにボビー・キンボール、ファーギー・フレデリクセン、元MSGのゲイリー・バーデン、ミカエル・アーランドソン(ラスト・オータムズ・ドリーム)、ケリー・ケイギー(ナイト・レンジャー)など、ギターにはニール・ショーン(ジャーニー)やイングヴェイ・マルムスティーン、ブルース・キューリック(元KISS)など、本当に豪華だ。勿論、ジェフ・ポーカロの未発表ドラムトラックを使った曲まである。
で、肝心の楽曲とサウンドだが、爽快で流麗なトミーのギターワークに象徴される極めて良質な楽曲が目白押し。曲の出来だけで言えば過去3作中ダントツだと思う。TRK3からTRK10あたりの中盤の曲の流れは申し分ない。
統一感からすると今ひとつといえなくもないが、曲毎にこれだけ豪華絢爛な名演が聴けるこのアルバム、お買い得だと思います。