単売されていたコルボ指揮、ローザンヌ声楽アンサンブルによるバッハのモテット集(1995年)とブラームスの合唱曲集(1997年)をカップリングした2CDです。
DISC1はバッハのモテットが6曲。
収録順がちょっと変わっていて、BWV230-229-225-227-226-228になっています。
また、伴奏にリュート、ヴィオローネ、ポジティヴ・オルガンが加わっています。
合唱はやや小人数気味(クレジットはSP6人,ALT7人,TEN6人,BAS5人)で、いつものコルボらしく、優しくまろやか、そしてリズムを強調するところは溌剌としたもので、プロテスタント的な厳しさは薄く、あくまでもコルボ風の美しい合唱です。
人気曲のBWV225「イエス、わがよろこび」の途中、曲調が変わる場面「Denn das Gesetz・・・」では、各声部ひとりにリュートの伴奏で、ラミン盤などに代表される、ア・カペラによる峻厳なドイツ風の合唱のものとは随分印象が異なっていて、とても面白いです。
DISC2はブラームスの合唱曲が20曲。収録曲は以下の通り。
M1,2:「6つの四重唱曲」(op.112)より1.あこがれ,2.夜に
M3〜5:「5つの歌」(op.104)より5.秋に,3.最後の幸福,1.夜の見張り
M6〜9:「4つの四重唱曲」(op.92)1.美しい夜,2.挽歌,3.夕べの歌,4.なぜに
M10〜12:「7つの歌曲」(op.62)より7.幸福と幸運は私から過ぎ去った,4.やさしい恋人,3.森の夜
M13:「3つの四重唱曲」(op.64)より2.夕べ
M14,15:「ドイツ民謡集」より8.静かな夜に,10.死んだ子ども
M16〜18:「歌曲とロマンス」(op.93a)より1.背の曲がったヴァイオリン弾き,3.ああ、こころよい五月,2.少女
M19,20:「2つのモテト」(op.74)1.なぜ悩む者に光をたまわったか,2.ああ救世主よ,天を破りひらけ
うち、M1,2,6,7,8,9,13にはピアノ伴奏がついています。他は全て無伴奏合唱です。
こちらも小人数(SP:5人,ALT:6人,TEN:5人,BASS:5人)で、絹を紡いだようなしなやかで柔らかい合唱です。
バッハ、ブラームス、いずれも優しい天上の世界のような合唱が堪能できます。
録音も上々でリマスター(2005年)状態も良く、2CDの上に廉価ですし、コルボのファンにはお薦めです。