Amazonより
カナダの小さな島の島民たちは失業保険で生活する毎日だったが、大規模な工場誘致の話が持ち上がり、「働けるぞ」と狂喜乱舞。しかし、島に定住する医者がいることが条件にもかかわらず、この島に医者いなかった。そんな中、元町長のはからいで、若い医師がバカンスでやってくる。島民たちは医師に島を気に入ってもらい、定住してもらうべく、あの手この手で医師を接待する…。
住人が125人しかいない島ゆえ、医師を接待するのも島民全員が協力体制。医師の好みをキャッチし、居心地のいい島だと思ってもらうための、作戦の数々に笑みがこぼれる。人をだますという行為をしているのに、なぜか憎めない島の人々。中年から老年ばかりだけど、生きることに一生懸命で前向きで明るい人柄は、チャーミングでかわいらしい。騙しつづけるのか否か…物語の着地点も絶妙で、絆が深まっていく様子には胸が熱くなってしまう。地味だけど愛すべき小品。(斎藤 香)
レビュー
日本ではスロー・ライフが流行しているが、現実は甘いもんじゃない。人口わずか125人、医者もいないサントマリ島もしかりだ。漁業が衰退してからは島民のほとんどが生活保護を受けている。そこに工場誘致の話が飛び込んできた。ただし医者定住という条件付き。そこで短期滞在する整形外科医に、島に惚れさせて定住させようと、島民一丸となって大芝居を打つ。ドクターがクリケットが趣味だと分かれば興じるフリをしてみたり、彼がストロガノフが食べたいと言えばレストランのメニューに入れたり……涙ぐましい努力の連続が笑いを呼ぶ。のどかでほのぼのしていて、疲れた心にオススメの癒し系映画である。特典内にある別エンディングにも注目。 (米田由美) --- 2006年04月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
製作: ロジェ・フラピエ/リュック・ヴァンダル 監督: ジャン・フランソワ・プリオ 脚本: ケン・スコット 撮影: アレン・スミス 出演: レイモン・ブシャール/デヴィッド・ブータン/ブノワ・ブリエール/ピエール・コラン/リュシー・ロリエ
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)