15年間のコールドスリープから目覚めた主人公に襲い掛かる不気味な生命体ブルー、人に不安を感じさせる髑髏のようなマスクをした謎の軍隊とヒト型兵器、荒廃し人影のない廃墟と化した都会の街並み。設定から非常に惹かれる導入で、女や子供も容赦なく惨殺される描写があり、生きている実感を感じるための性描写も適度にあり、緊張感を持ち見ることができる。
ゲストキャラやサブキャラも魅力的で、重苦しい雰囲気を、打ち消すような性格の人物もいて、作品のバランスを良い方向に導いている。
クールビューティな女性兵士マリーンの心情が、物語の進行とともに変化していくのも見どころで、1話2話の頃の無機質な表情と声音から想像できない菩薩のような表情を、最終回では見せてくれる。桑島法子の声も非常にマッチし、魅力を十分活かせている。
地球からの脱出劇、宇宙で生存している僅かな人類の思惑と野望、スリーパーの回収に隠された意図、B細胞発生の動機付けとB細胞保有者の反乱、ブルー発生の意味と地球の意思、話数が進むにつれ、テーマが大きくなり、視聴している方も、都度、どのような行動をとるのが最善であるのかを考えてしまう。
若干、駆け足気味のクライマックスが惜しく感じるが、作品全体の主張はラストまでに行われ、主人公2人の心の機微と成長も見事に描写され、26話鑑賞後は、十分な満足を得ることができる秀作である。
国内版のブルーレイ発売が待ち遠しい本作であるが、DVDBOXの特典内容は、以下のとおりである。
①CM集②ノンクレジットOP・ED③ミュージッククリップ3種④ラフスケッチコレクション⑤ブルーファイル⑥ASファイル