表現の方法が原作の素朴かつ詩的な文章から転じて「アニメ」に変わるだけで物語の印象がこうも変わるものなのか?
古今共にこのアニメから受けるような印象をアンデルセンの原作から受けた試しはありません。率直に言って、原作を始めから無視するつもりならば、ネームバリューだけを求めて偉大な作品の名を語るのはこのアニメに限らずいい加減に止めにして欲しい。
特に残念でならない事は無意味なアクション描写およびバイオレンス描写が目立つ事です。具体的にはゲルダのドロップキックや吟遊詩人ラギの格闘漫画ばりのアクションがそれに当たります。登場人物の感情描写も、その行動描写も、上記の様なアクション描写が不条理に差し挟まれる事に附随して描き方が強引になってしまっています。なおざりにしてはならない多くの点がずれていると感じます。
原作を据えたアニメとして、またアクション描写が随所にあるアニメとして成功した(と私が思う)「ロミオの青い空」などと比べればその違いが明らかになると思います。