大金で女性を買う話。素人やインテリの女性を次々と。出だしは快調で、なかなか良いのだが、二番目の八木昌子のところで、ちょっと荒っぽく、あれよあれよと次の女に行ってしまう。ここ、もっと丁寧にやってほしいぞ。八木昌子、よく見るとメッチャエロく、出色。普通の貞淑そうな主婦なのに、ダメな旦那のために体を売るという展開、次第におぼれていくような風情で、一応ねちっこく描かれるのだが物足りない。もう少し、押してほしかった。八木といえば、「8月の濡れた砂」で主人公の兄嫁で、色気付いた主人公を毛嫌いする様子が印象的だったが。そもそも出演作は多くないのだが、本作では何とも良い感じだぞ。結局、三人目の女医のストーリーが、インテリ女が体を売る理屈を本人が求めるみたいなややこしい展開で、大島渚もそこの理屈にこだわってしまった感じで、映画としての展開がそこで停滞し、それ以降はなんか頭でっかちの話しになった印象だ。たぶん、俗な展開の映画になることを監督が嫌ったんだと思う。俗に徹して俗を超える増村の映画みたいなものを期待したんだが、残念。
ということで、意外にエロい八木昌子が見られるというのがこの映画の利点。それを日和ってあまり追及しなかった監督がダメっていうか、まだ若かったってことで。