Capsuleといえば、Perfumeを大ヒットさせた中田ヤスタカさんオリジナルというイメージだが。
Perfumeやモモクロあたりから、中田ヤスタカさんてオリジナルはどんな感じなんだろうかという興味でCapsuleに入ったのがきっかけで、当時は最初に手を出したアルバムは、実は「PLAYER」だったのである。
だが、調べてみれば、「PLAYER」までに出ているアルバムが相当数あったわけだ。
他のもあたってみたいが、そうなると、助かるのはベスト盤である。
ベスト盤はレビュワーさんの多くがお書きになっていたように、「Capsuleに入るならベスト盤が一番入りやすい」。
これをあてにして、買って聞いたところ、一番聞きごたえもあって、聞きやすさもあった。
そこで更に一枚前にさかのぼると、本作がある。
ベスト盤に収録されている楽曲も多いためか、こちらがベスト盤のように勘違いしてしまいそうになるが、オリジナルである。
だが、ベスト盤にあたってみて、次にあたるなら、本作はオススメである。
間違って本作をベスト盤だと思って買ったとしても、一般向けに聞きやすい楽曲がずらりと並んでいるからだ。
そしてエレクトロPOP&Dance Musicの宝庫のような、Capsuleの数々のアルバムの中でも、これはかなり一般向けで、しかもお洒落で楽曲ひとつひとつのクォリティーが高い。
動画サイトで外国人ユーザーからの評価も高いというのも納得できる作品で、歌詞が日本語混じりだろうと関係なく聴けるところも長所だろう。
そして何より、ボーカルのコシジマさんとの絶妙なコンビで生み出される楽曲に魅了されないほうが不思議な感じがする。
最近のCapsuleのアルバムは、中田氏がおそらく担当しているPerfumeなどで出せていない、その分を出しているためか、かなり聞くひとが限定的になるアルバムも少なくないが、ベスト盤までのこの頃の作品は、わりと聞きやすく、入りやすい。
中でも本作は秀逸な出来で、ベスト盤とともに合わせて聞いてもいいと思われる。
というのも、ベスト盤の次に出した「FLASH BACK」は、ちょっとマニアックな色が濃く、最初から入るには不向きな玄人好みの作品になっているためである。
そういった作品傾向があるので、初期Capsuleのベスト盤のほかに、オリジナルアルバムの中で、おそらくは入りやすく、聞きやすさと充実度が高いアルバムは、本作ではないかと思う。
動画サイトで話題になった「Jelly (album edit)」は3曲目にあるが、冒頭のインスト曲からして、センスの良い御洒落で程よくダンスとポップが融合した楽曲がラストの10曲まで並んでいる。
ベスト盤の次にどのアルバムへ行くか迷ったら、こっちを買って聞いてみることをオススメします。