ウェブプレーヤーを開く
このアルバムの中で演奏しているｔｐ・ｆｌｈのケニー・ウィーラーと云う
プレーヤーは当時７４歳。他も６０歳を超えている爺さんが多いと云うのを
後で知った。普通年寄りのジャズマンが集まると、自分達のやり易い曲を集めて
無理をせずに演奏するんやろなぁと思いがちやけど、違う。
手抜きは一切ないし、高いクウォリティでそれぞれ個性を発揮している。ダサいテーマ
の曲もない。
俺はケニー・ウィーラー目当てでこのアルバムを手に入れたけど、各ソロイストの
演奏も充分楽しめる。各人の経験とオリジナリティ、知性とスピリットがトータル
として見事に融合しているように思えるんや。歯の浮くような文章になってしもたけど
他に書きようがない。それに、昔のハードバップ系とも違う何か別の香りがする。
アルバムで云うと、アート・ファーマーの「イエスタデイズ・ソウツ」、ビル・エヴァンスの
「ユウ・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング」、それとヨーロピアン・ジャズ・トリオ
を混ぜて現代風のスパイスをパラッと掛けたらこんな感じになるんかなぁと思った。
パッと浮かんだんが、磁器のマイセンや。あの優雅な感じ。日本の「柿右衛門」や
中国の陶磁器に影響を受け、独自の磁器に発展したあのマイセンの様な気品すら感じる。
褒めすぎか。
何はともあれ、年寄りのプレーヤーが集まって、これだけの演奏が出来ると云うのは
感動以上の何物でもない。ぜひ頑張ってほしいと共に、みんなもこのアルバムを
聴いてほしい。たのむわ。
