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この映画が切っ掛けなのかなぁ、偶然なのかなぁ。内地人の私ですがこの常呂町のすぐ近所に働きに行くことになって、2010年ごろだったと思う。春から秋までですがこの映画にも写る様な農場へ。しかもそれから毎夏５年。そしてその間に近くの山に休みの日に登ってみる事にしたら結構早く登れて。でもその実は岩を急流下りみたいに流れ落ちる滝みたいな水が上から上から降り注ぐのが怖くて、もう一刻も早くこの恐怖から解放されたく登っただけで。標準タイムなるものが山にあるらしいんですが、その半分の時間で毎回登るという、そんな怖がり方で。
そんなに早く登るというのを勘違いされて「山、登るんだって？」という誤解から北海道の山を中心にした自然仕事をそれから場所を変えて更に５年ほどする様になって。でもやり切れたのではなくて、登るともう８合目くらいで頭痛がガンガンして来て、なんでそんなに優しいのか「寝ておけばいいよ、暫く」って山仕事の同僚が言う。登っては頭痛して寝る、山肌で。それで仕事をしたと言えるのか。でも努めておりました。
この映画の主人公のかずちゃん、じゃないですが、人生って分からないものですよ。なんか流れ流され新しい経験をわんさかする様になって。そしてこの映画で今さら涙ぐんだりしています。広大すぎる畑の雑草取りが面白かっただけなのに。赤ちゃんの「はいはい」みたいにして、肥料袋を空にした袋を携えて抜いた雑草を入れて進むだけ。たま～に本物の苗も抜いてしまう。でもいいのだ、ひと畝250mもあるんだし。そうやって内地の皆さんの食卓に並ぶ大根やかぶ、ニンジンを取るのが仕事でした。もしこの映画がなかったら？道東に行ったかな。
もちろんこの常呂町のカーリングセンターも「見に」行って。ほほぉ～と誰もいない会館を眺めただけですが今も十分思い出です。勝ち組でも負け組でもない。偶然や切っ掛けを与え合うだけで面白い人生ですよ。今は北見市なんだってね。あの辺りからゴジラ岩くらいまでの範囲のあちこちが私の働く畑でした。今も同じように農業も漁業もサケ釣りもしてるんでしょう。その辺りで取れたかも知れないポテチを食べながら見ています。いい映画だよ、本当に。
