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1969年、富樫雅彦クインテットに高柳昌行らと共に沖至が参加、また、富樫雅彦/佐藤允彦の双頭リーダーによる伝説の「ESSG」に、高木元輝と共に参加、ESSGでの沖は根が続く限り吹きっぱなしという凄まじく完全なフリージャズとして今なお語り継がれているもの。 続いてその年の11月、新宿ピットインの2Fに「ニュージャズホール」を富樫、高柳、吉沢元治、佐藤允彦、高木元輝、豊住芳三郎と一緒に創設し、その活動を盛り上げていく。 その中、1970年、自主制作アルバムとして発表されたのが、本作。 95年に一度CD化されたがどちらもプレス枚数が少なかったため、プレミアがつき再発を望む声が多く、本シリーズの1枚として再びCD化発売されることになりました。 1969年末よりの新たな活動の場「ニュージャズホール」において、人跡未踏の曠野を行くような未知のサウンド創造に向かって疾走し、更なる地平を切り拓いていく一瞬々々の中、沖至は、当時はベースを弾いていた翠川敬基、そしてパーカッシヴなドラマー田中保積をメンバーとしたトリオで、抽象的な空間創造を目指した。 「我々にしか出来ない空間がある。それはリズムと空間のバランスから生まれる(沖至)」と、“エネルギーと突っ張り"で制作したのが、しかも当時は全くなかったマイナー自主レーベルから発売。 「リズムという言葉について言えば、ビートやテンポというよりスピードが大事だ(沖)」 M-2のパピリオとは蝶のこと、蝶が空間の中を飛ぶ軌跡を頭の中で追ってこの空想的図形楽譜をフリーフォームで演奏するのが沖至のジャズである。また、上記のスピード感とは、一音が鋭く走ってどこまでも永遠の中に延びていく感覚、ビートではなく、フリージャズの中では特に重要なフィーリングとされる疾走感覚のこと。M-1は、水を張ったバケツにトランペットの朝顔を出し入れしながら、つまり水でミュートする演奏だ。 「聴く者にこれほどの幻想を持たせてくれる沖至こそ、更なる幻視者なのだろう」 「沖至は裏側の世界の所在を顕現させる現代の魔術師である」(副島輝人) 「沖さんはときどき七変化を、すすきの原で笛ふきながら、孤りで影踊りしてみせてくれる」(白石かずこ) [収録曲] 1. 水との対話“Aporia" 2. 空間の飛翔“Papilio" 3. 図形的発展“Spectral" 4. 永遠の詩“Eternal Lyric" (全4曲) 沖至:tp, fluh, cowbell, triangle, bells, indian bells,woodblock,etc 翠川敬基:bs, paino,gong 田中保積:ds, gongs, timpani プロデユース:副島輝人 エンジニア:Kinji Hayashi 1970年発売
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