「GODLEY + CREME」というカチンコの表記に倣ったデザイン、歌詞カードの三原色が、当時PV監督として勢いづいていたことを窺わせる4作目。
シンセポップの「Under Your Thumb」は全英3位、モータウン調の「Wedding Bells」は全英7位と、G&Cで最もポピュラーな楽曲が収められた本作だが、アルバム全体はファンク×ソウル×ジャズ÷ミニマル=ハウスミュージックといったところで、前作『Freeze Frame』の「Brazilia (Wish You Were Here)」を発展させたようなケヴィン・ゴドリーの語りやラップが乗った異色作である。
ここで繰り広げられているのはメロディー、ハーモニー、リズムという3要素を極限まで削ぎ落とした純度の高い音楽であり、喋りやラップは、当時、いや昨今においてもかなり衝撃的だけれども、予てからリズムの可能性を探究していた彼らの当然の結果だったのではないか。いわば肉声によるパーカッションなのだ(ボイスパーカッションではない)。
7曲目の「Lonnie」はケネディ大統領暗殺事件を題材にしたもので、本作が出る前年にジョン・レノン射殺事件があったのを踏まえると少なからずゾッとしてしまう(本作は1981年10月19日発売)。
ところで「Ismism」(主義主義、主張主義)とはラップ・ミュージックを揶揄した言葉なのだろうか。皆様はどうお考えですか。